<大腸がん検診について教えてください>
大腸がんは、食生活の欧米化や生活習慣の変化などを背景に患者数が増加しており、がんによる死亡原因では女性は第1位、男性は第2位となっています。しかし、大腸がんは早期に発見して治療すれば治る可能性が高く、検診の意義が大きいがんでもあります。
かぜの大半はウイルス感染によるものです。ウイルスは細菌よりはるかに小さく、構造や性質も大きく異なります。抗菌薬(抗生物質)はあくまで細菌に作用する薬であり、ウイルスには効果がありません。かぜに対して抗菌薬を服用しても治癒を早めることはなく、症状も軽くならないのです。むしろ、副作用として発疹や下痢などのリスクがあり、抗菌薬の不要な服用は体に負担をかけます。
胸やけしたり胃酸が込み上げたりするなどの逆流症状を来す疾患を「胃食道逆流症(GERD)」といいますが、その中で食道に炎症を認めるものを「逆流性食道炎」、炎症を認めないものを「非びらん性胃食道逆流症(NERD)」と呼びます。
激しい下痢や嘔吐(おうと)の症状を引き起こすノロウイルスによる胃腸炎は、11月〜2月頃にかけて流行します。ノロウイルスは、わずかなウイルスの量でも体内に侵入すると腸内で爆発的に増殖します。そのため、体内にノロウイルスを侵入させないことが最も有効な予防法になります。
ディスペプシアとは、「胃痛」「胃もたれ」「むかつき」などの不快な腹部の症状を指す医学用語です。これらの症状が続き、検査をしても胃潰瘍や胃がんなどの異常が認められない場合を「機能性ディスペプシア(FD)」と呼びます。
胃痛や胃もたれなどの上腹部の症状は、日本人成人のおよそ10~15%が慢性的に自覚しているとされます。これらの症状で受診される患者さんは、胃がんや胃潰瘍を心配されていることが多いと思います。しかし、最も頻度の高い病気は「機能性胃腸症(FD)」です。
琴似駅前内科クリニック 髙柳 典弘 院長
座っている時間を減らして毎日散歩をするだけで、何年間も寿命を延ばせるかもしれない──。米国・ハーバード大学の研究チームが、中年期の成人11万人以上を30年間追跡した研究で、その可能性を示しました。
福住内科クリニック 佐藤 康裕 院長
便秘薬が癖になることはありますか
大腸に強い刺激を与えることでぜん動運動を起こし、排便を促すタイプの便秘薬は「刺激性下剤」と呼ばれ、「くせになりやすい」便秘薬です。<寝る前に1回飲めば、翌朝にはすっきり出せる>とうたわれる薬や漢方便秘薬の多くは刺激性下剤であり、代表的な成分はセンナ、ダイオウなどの生薬です。
琴似駅前内科クリニック 髙柳 典弘 院長
腸内細菌とアレルギーの関係について教えてください。
腸は消化吸収を行うだけでなく、全身の機能に関与していて、そこには腸内細菌が大きく関係しています。腸内細菌にはさまざまな種類があり、腸の粘膜に隙間なくびっしりと張り付いていて「腸内細菌叢(そう)」と呼ばれます。最新の研究では、気管支ぜんそくや食物アレルギーなどの各種アレルギー疾患が、この腸内細菌叢の乱れに関係していることが分かってきています。
腸は病原体にとっても体への入り口になります。これを防ぐために、腸管には免疫細胞や抗体が集中しています。この腸管免疫の働きを維持するのにも腸内細菌が欠かせないのですが、アレルギーのある患者さんは、腸内で「酪酸」という物質を作り出す「酪酸性生菌」の割合が少ないことが報告されています。
酪酸は腸の粘膜を通過し、腸管内のリンパ組織に働き、「Foxp3」という遺伝子の発現を増加させます。その結果、過剰な免疫を抑える役割を持つ「Tレグ(制御性T細胞)」を増やすことが分かっています。言い換えれば、腸内の酪酸菌を増やし、Tレグを増加させることがアレルギー疾患・症状の抑制につながると推察されています。
腸内細菌叢に酪酸菌を増やすためにはどうすればいいですか?
酪酸菌を含む食品は少なく、ぬか漬け、ナチュラルチーズ、納豆などに限定されてしまいますが、酪酸菌を腸内で育てることは食事内容を工夫すれば十分に可能です。酪酸菌の餌となる食物繊維を多く含む食品を積極的に摂取することで、腸内の酪酸菌の働きを活発にできます。食物繊維には水溶性と不溶性があります。腸内細菌の餌になりやすいのは水溶性の食物繊維で、わかめ、ひじき、ラッキョウ、キウイ、アボカドなどに多く含まれています。食物繊維は1日あたり成人男性でおよそ20g以上、成人女性で18g以上摂取することが目安とされています。また、酪酸菌入りのサプリメントで補うのも一手です。
適度な運動習慣も腸の活動を活発にし、酪酸菌を増やします。週3~4回のペースで、1日30〜60分程度、息が少し上がる程度のウオーキングやランニング、サイクリングなどの有酸素運動がお勧めです。運動習慣が途絶えると逆に酪酸菌が減ってしまうという調査報告もありますので、酪酸菌を増やすためには、運動を継続して行うことが大切です。
福住内科クリニック 佐藤 康裕 院長
ピロリ菌の除菌治療をした後も、胃内視鏡(胃カメラ)検査を受ける必要はありますか?
除菌後も定期的な胃カメラ検査が必要です。ピロリ菌は胃がんの原因であり、胃がん予防のための除菌治療はとても重要です。しかし、予防といっても胃がんを完全に防げるわけではありません。除菌に成功すると、胃がん発症の危険性が全体としては3分の1程度に低下しますが、ピロリ菌に感染したことがない人と比較すると発症リスクはかなり高いことが分かっています。日本ではこれまでに1000万人以上が除菌治療を受けていますが、除菌後は胃がんにならないと思い込んで胃がん検診などを受けないケースがあり問題となっています。実際に、除菌後に胃がんが進行した状態で見つかる例も少なくないです。
ピロリ菌は主に乳幼児期に口から入り込み、胃の中に持続感染し粘膜に炎症を引き起こします。成人後に感染することはほとんどありません。多くの場合、無症状のまま慢性炎症が続き、次第に「萎縮性胃炎」という状態になります。数十年を経て、萎縮性胃炎が進行し胃がん発症のリスクが高まっていきます。
30歳くらいまでに除菌すると、胃がんの発症予防効果が高いです。年齢が高くなると萎縮性胃炎が進み、ピロリ菌がいなくなっても胃の状態は元には戻らないため、除菌による発症予防効果は小さくなります。ピロリ菌に感染しても多くの人は自覚症状が出ないので、検査の機会を積極的につくり、なるべく若いうちに除菌治療を行うことをお勧めします。
ピロリ菌に感染している人の割合は徐々に減少してきていますが、現在、日本人のピロリ菌感染者数は約3000万人と推計されています。まずは感染者の拾い上げが重要です。検査でピロリ菌に感染したことがないと判定されれば、生涯を通じて胃がん発症のリスクは低いです。一方、感染が判明した場合は胃がんの発症リスクを減らすため除菌治療を推奨しています。繰り返しになりますが、たとえ除菌をしても、もともと感染がない人に比べれば胃がんのリスクは高いので、除菌後こそ定期的な検査が必要です。除菌後に発症する胃がんは、周囲粘膜との境界が不明瞭で発見しにくいという特徴があるので、バリウム検査よりも精度の高い胃カメラ検査を受けることをお勧めします。年に1回程度の頻度で受ければ、早期発見が可能で、おなかを切らずに内視鏡で治療できる場合もあります。