2026年5月11日月曜日

大腸がん検診

<大腸がん検診について教えてください>

 大腸がんは、食生活の欧米化や生活習慣の変化などを背景に患者数が増加しており、がんによる死亡原因では女性は第1位、男性は第2位となっています。しかし、大腸がんは早期に発見して治療すれば治る可能性が高く、検診の意義が大きいがんでもあります。

 一般に行われている大腸がん検診は「便潜血検査」です。これは、目に見えない微量の血液が便に混じっていないかを調べる検査です。検査方法は簡単で、自宅で便の表面を採便棒でこすって採取するだけです。便潜血検査を定期的に受けることで、大腸がんによる死亡率が低下することが多くの研究で示されています。札幌市では40歳以上の方には年1回の検診が勧められており、多くの医療機関で、市の補助で自己負担400円で受けることができます。

 ただし、便潜血検査には限界もあります。便が大腸の中でがんに当たらなければ血が付かないからです。「陰性」と判定されてもがんがないと決まったわけではないのです。一方、便潜血検査で「陽性」と判定された場合には、必ず精密検査として大腸内視鏡検査を受けることが大切です。

<大腸内視鏡検査について教えてください>

 肛門から細い内視鏡を挿入し、大腸の内部を直接観察する検査です。鎮静剤などを用いることで、ほぼ苦痛なく検査を受けることも可能になっています。大腸ポリープやがんが見つかれば、組織を採取して診断することや、多くのポリープはその検査中に内視鏡を使って切除することもできます。「腺腫」と呼ばれるポリープは、時間が経つと大腸がんになる可能性があるため、早期に切除することが将来のがん予防につながります。

 便潜血検査は有効な検診・検査ですが、すべてのがんを見つけられるわけではありません。40歳を過ぎたら、一度は大腸内視鏡検査を受けておくことをお勧めします。特に、腹痛や便通の変化がある方、家族に大腸がんや大腸ポリープの既往がある方、糖尿病のある方などは、積極的に大腸内視鏡検査を受けることが望ましいです。

 大腸がんは早期の段階ではほとんど症状がありません。だからこそ、症状がないうちから検診・検査を受けることが重要です。毎年の便潜血検査と、必要に応じた大腸内視鏡を上手に活用し、大腸がんの早期発見と予防につなげてください。



福住内科クリニック
佐藤 康裕 院長

北海道新聞
クリニック北海道WEB版
https://www.clinichokkaido.net/

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