2026年4月24日金曜日

花粉-食物アレルギー症候群と食物依存性運動誘発アナフィラキシー

<花粉-食物アレルギー症候群について教えてください>

 食物アレルギーの中でも、近年急増しているのが「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)」です。花粉症のある人が特定の果物や野菜を食べたときに、喉がイガイガしたり、口の中がかゆくなったりする病気です。多くの場合は軽い症状で済みますが、まれに呼吸困難など全身性の激しいアレルギー症状(アナフィラキシー)を起こします。

 PFASは、花粉と食物に含まれるアレルギー物質の構造が似ていることによる「交差反応」が原因です。北海道の花粉症は春先がシラカバやハンノキ、夏はイネ科の牧草などが主な原因となりますが、シラカバ・ハンノキ花粉症の人はリンゴ、モモ、サクランボ、イネ科花粉症の人はトマト、スイカ、メロン、オレンジと交差反応して症状が現れるケースがよくみられます。

 PFASの診断は、まず花粉症の検査を行い、次に血液検査で果物に対するアレルギー検査を実施します。近年では、検査精度を高めた新しいアレルギー検査法(アレルゲンコンポーネント検査)も普及しつつあります。食べ物というのは、たんぱく質や脂肪などいろいろな物質の混合物です。その中で、本当にアレルギーを引き起こしているのはどの物質であるのかが、この検査により正確に見極められるようになってきています。

<食物依存性運動誘発アナフィラキシーについて教えてください>

 特定の食物を摂取した後に運動することによって、全身のじんましん、呼吸困難や意識障害などの全身性のアレルギー症状が誘発される病気が「食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)」です。原因となる食物は小麦が最も多く、次いでエビなどの甲殻類で、最近では果物も増えています。食べた後、多くは2時間以内に運動することで、急激に強いアレルギー症状が現れます。特に15歳前後に多く、小学校高学年から高校生にかけて発症することが多いです。特徴的なのは、何度も繰り返すことがある点です。発症の原因は、明確に分かっていません。

 FDEIAと診断されたら予防が重要です。運動前には原因となる食品を食べないこと、食べたら最低2時間は運動を控えることなどを心掛けてください。

 食物アレルギーは、間違った知識で対応すると、命にかかわることもあります。PFASやFDEIAの正しい診断と検査、治療についてはアレルギー専門医に相談することをお勧めします。


医療法人社団
大道内科・呼吸器科クリニック
大道 光秀 院長

北海道新聞
クリニック北海道WEB版
https://www.clinichokkaido.net/

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