2026年4月10日金曜日

加齢臭の原因となる皮膚のできもの「粉瘤(ふんりゅう)」

<粉瘤(ふんりゅう)とはどのような皮膚疾患ですか>


 粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に本来皮膚からはがれ落ちるはずの角質や皮脂がたまる良性の腫瘍です。皮膚のできものの中でも発症頻度が高く、痛みを伴わないため、放置してしまう方がとても多い疾患です。粉瘤は体中どこにでもできますが、その原因は明らかではありません。粉瘤の表面には黒い点のような開口部があり、そこから不快な臭いのするペースト状の白い物質が出てくることがあり、独特な体臭や加齢臭の原因ともなります。

 粉瘤は自然には治りません。最初は小さく、日常生活に支障を来たすことはないですが、徐々に大きくなり、皮膚の膨らみやしこりとして気になり始めます。放っておくと、10cm 以上の大きさになることもあります。ニキビと勘違いして、安易にしぼり出そうとすると、細菌感染を起こします。炎症を起こした粉瘤は急に大きくなり、赤く腫れあがって激痛を伴います。単なる〈おでき〉や〈吹き出物〉と考え、受診が遅れると重症化、がん化することもあるので注意が必要です。


<治療について教えてください>


 粉瘤は、飲み薬や塗り薬で自然と消えることはありません。重症化した粉瘤では、少しだけ切開して膿や内容物を押し出す治療が行われることが多いですが、切開のみでは再発を繰り返します。完治には外科的に袋状の構造物を完全に取り除く必要があります。

 切開処置や不完全な"くり抜き切除法"などを繰り返した部位は、瘢痕(はんこん)化といって皮膚と皮下組織が非常に硬く固まってしまい、完治させるのが難しかったり、治療の傷が大きくならざるを得なかったりする場合があります。

 「形成外科」は皮膚表面を含む手術を専門的に扱うことが日常的な診療科です。形成外科での粉瘤の治療では手術を選択して、完治を目指す治療を進めます。粉瘤の大きさや発生部位にもよりますが、手術は局所麻酔で行う日帰り手術で、手術時間は10〜20分程度です。切除に際しては、術後の傷跡に十分配慮しながら、皮膚のシワの流れに合わせた縮小紡錘形切除を基本として、丁寧な切除・縫合を行います。

 形成外科医は「手術が必要な体表面の異常を、できる限り外見に気を配りつつ治療する」ことを専門にしています。粉瘤の治療を希望される方は、ぜひお近くの形成外科専門医へご相談ください。





医療法人藻友会
いしやま形成外科クリニック
石山 誠一郎 院長

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