2025年3月24日月曜日

貧血について

<貧血の症状や原因について教えてください>

 立ち上がった時に、目がくらくらして倒れそうになった患者さんが「貧血を起こした」と訴えることがありますが、じつはこの症状は医学的な「貧血」とは異なります。

 貧血とは、くらくらして倒れそうになる症状を指す言葉ではなく、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが少なくなった状態をいいます。

ヘモグロビンが低下すると、体内に十分な酸素を供給できなくなり、疲労感や息切れなどの症状が現れます。急速に進行した場合には体が慣れないため症状が強く現れますが、慢性的にゆっくり進行した場合には自覚症状がほとんどないこともあります。

 貧血の原因はさまざまです。血球を作る骨髄の機能低下や、白血病などの血液腫瘍といった重大な病気が原因となっている場合もあります。また、持病によって貧血が起こることもあります。例えば、リウマチなどの慢性炎症があると、体内に十分鉄分があっても、うまく利用できなくなり貧血が生じます。腎臓病の患者さんでは、腎臓から分泌される造血を促すホルモンが低下することで腎性貧血となります。貧血の原因として最も多いのが鉄欠乏性貧血です。


<鉄欠乏性貧血について教えてください>


 極端な偏食や栄養不良がない限り、鉄の摂取不足だけで鉄欠乏性貧血になることは少なく、多くの場合、出血による鉄分の喪失が原因となります。女性では、生理による出血が主な原因です。子宮筋腫や子宮内膜症などがある場合は出血量が多くなり、貧血が生じやすくなります。市販のサプリメントなどで気軽に鉄を補充したいと考える方もいるかと思いますが、自己判断での鉄補充はあまりお勧めしません。本当に鉄分が不足している貧血なのか確認が必要ですし、過剰な鉄の摂取は臓器に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要だからです。

 消化管からの慢性的な出血も鉄欠乏性貧血の大きな原因です。胃潰瘍や胃がん、大腸ポリープ、大腸がんなどの病変が原因で貧血が生じる場合があります。出血量が少なく便の色が変わるほどではなくても、微量の出血が長期間続くことで貧血を引き起こします。特に胃がんや大腸がんではかなり進行するまで、痛みなどの腹部症状がほとんど現れないため、貧血が最初のサインとなる場合があります。中高年以降で鉄欠乏性貧血を指摘された場合は必ず内視鏡検査を受けるようにしましょう。



福住内科クリニック
佐藤 康裕 院長

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