<肺炎球菌ワクチンについて教えてください>
肺炎の病原菌の中で一番多いのが「肺炎球菌」です。肺炎球菌は、高齢者、慢性呼吸器疾患がある方、心臓や腎臓に病気がある方が感染すると重症化しやすいと言われています。それらの方々は、重症感染を予防するために肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されています。
肺炎球菌には100種類以上の血清の型がありますが、ワクチンの種類によって血清型のカバー率が異なります。公費対象の定期接種ワクチンとして、従来より「23価肺炎球菌ワクチン(PPSV23)」が使用されてきましたが、2026年4月から「20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)」に切り替わりました。
〈23価〉〈20価〉はそれぞれ、ワクチン効果の及ぶ血清型の数を示します。PCV20は、重症感染の原因となる細菌のおよそ半数を占める20の型をカバー。23価よりは少ないですが、減った型では患者さんがほぼ発生しておらず、カバー率の程度は同じと考えていいです。一番の違いは、免疫の持続期間です。PPSV23は長期間にわたる免疫が得られにくく、有効期間は5年間程度とされ、再接種が必要でした。一方、PCV20は強い免疫力効果の持続が期待できる「結合型」と呼ばれるワクチンで、一度の接種で生涯にわたり予防効果があるとされます。
また、定期接種ではありませんが、高齢者の肺炎の原因となる型により特化した「21価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV21)」も登場しています。高額ですが、より高い予防効果を期待するなら有力な選択肢になります。
<治療について教えてください>
公費負担のある肺炎球菌のワクチン接種は、基本的に65歳の人が対象(心臓、腎臓、呼吸器の機能障害など疾患により60~64歳でも可)ですので、対象となる方は積極的にPCV20を接種してください。
過去にPPSV23を接種していても、1年を経過していればPCV20やPCV21を接種できます。66歳以上で定期接種の対象とならない方は、任意でPCV20を再接種することをお勧めします。また、基礎疾患がある方やより広い血清型を重視したい方は、PCV21の任意接種を検討するのもいいでしょう。詳しくは、かかりつけの医療機関にご相談ください。
白石内科クリニック
干野 英明 院長
