<子どものネット依存について教えてください>
スマホやタブレットなどが社会に広く普及する中、特に子どもたちがインターネットの使い過ぎで健康や生活に支障を来たす「ネット依存」が深刻化し、社会的な課題となっています。ゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる「ゲーム障害」が2019年に世界保健機関(WHO)により新たな依存症として認定されましたが、ゲームはネット依存の問題の一部でしかなく、子どもたちが依存しているネットコンテンツは、会員制交流サイト(SNS)や動画閲覧、買い物などさまざまです。
ネット依存は、常にネットのことが頭から離れない状態になり、「少しだけ」と思ってネットにアクセスしても、その時間が守れず、使用時間が長時間化します。その結果、昼夜逆転、学校の遅刻・欠席、成績低下、注意されて物に当たる・暴力を振るう、ひきこもりの他、睡眠障害やうつ状態を呈するなど精神面でのトラブルや、頭痛や肥満、視力の低下といった身体的な症状を引き起こします。
発達途上にある子どもの脳は、大人よりも刺激に敏感で、依存しやすい状態にあります。たばこやアルコールと同様に、子どもの方が短期間でネット依存に至り、治療も難航しがちです。依存期間が長いほど回復しにくくなるため、できるだけ早く専門医に診てもらう必要があります。
<治療について教えてください>
一度依存症になると、抜け出すことが難しいので、何よりも予防が大事です。スマホやタブレットとインターネットの使用開始年齢をなるべく遅らせること、使用開始時には使用時間や使用場所などルールを決めること、アプリのダウンロードや課金に親の承認が必要となる「ペアレンタルロック」や、有害サイトへのアクセスを制限する「フィルタリング」をしっかり活用することを徹底してください。
治療では、医療機関は家庭や学校などと連携し、精神療法や薬物療法といった専門的治療と、現実世界での居場所づくりなど多様なサポートを組み合わせていきます。家族による支援・ケアも非常に大切です。両親をはじめとした周りにいる大人が、本人と一緒に考えて、本人の「このままではいけない」「変わりたい」という気持ちを引き出しながら、依存を乗り越えていく手助けをしてあげることが重要です。
札幌太田病院
太田健介 院長
北海道新聞
クリニック北海道WEB版
https://www.clinichokkaido.net/
