2026年6月15日月曜日

お薬についてのあれこれ

<最近「オーソライズド・ジェネリック医薬品(AG)」という言葉を耳にしました。AGとは、どのような薬ですか。>


 ジェネリック医薬品とは、後発薬のことで、薬の特許が20〜25年で切れた後、別のメーカーが同じ主成分(主剤)で作るものです。先発薬よりも安いため、近年シェアを大幅に増やしてきました。ただ、製造方法や主剤以外の成分(防腐剤などの添加物)が異なるため、先発薬と完全に同一とは言えず、医師の立場で実際に処方してみると、先発薬よりも効果が劣るケースや、後発薬同士を比べると効き目に差が感じられるケースも経験します(後発薬にも優秀な製品はあり、正しい知識で総合的に良い薬を使うことが大切です)。

 こうした不安を解消するのが「オーソライズド・ジェネリック医薬品(AG)」です。AGは、製造方法や主剤以外の成分も先発薬と同一の後発薬のことです。安価なだけでなく、効き目についても信頼性や安心感があるため、医療機関や薬局で採用が進んでいます。これまで先発医薬品を使用していた患者さんにも薦めやすい選択肢と言えます。ただし、今年10月に新しく発売される薬からAGの薬価が先発薬と同等になることが決まっており、今後はAGの存在意味や有利性が薄れていくことが予想されます。


<薬の供給不足について教えてください>


 近年、全国的に多くの医薬品が不足する状況が続いています。その理由はいくつかありますが、まず大きいのは、自然災害の影響です。

 日本の製薬メーカーが一番多く集積している地域は大阪ですが、北陸地方にも製薬会社やその工場が多く集まっています。2024年元日に発生した能登半島地震は、石川県や富山県、福井県の工場に大きな影響を与え、稼働の遅延や停止により、さまざまな種類の薬が製造停止、出荷制限されました。地震から約2年半が経って、多くの薬は再び患者さんに行き渡るようになっていますが、中には製造が中止になってしまった薬もあり、今後も影響は残ります。

 また、原材料の入手が難しくなっていることも深刻です。多くの薬は、原薬や包装資材を海外から輸入しています。ところが、世界情勢の不安定化や医薬品への関税の問題などから、安定した調達が難しくなっているのです。

 薬の供給不足が続く中でも、代替薬の提案や用法・用量の調整を行うなど、できる限り同じ効果が得られるよう安全で適切な薬の処方に努めていますので、ご理解とご安心をいただきたいと思います。



ふじた眼科クリニック
藤田 南都也 院長


北海道新聞

クリニック北海道WEB版
https://www.clinichokkaido.net/

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