2026年5月25日月曜日

肺炎球菌予防に新ワクチン〜一度の接種で長期効果期待〜

<肺炎球菌ワクチンについて教えてください>


 肺炎は日本人の死因の第5位を占め、うち9割を65歳以上の高齢者が占めています。肺炎は主にのどや気管に炎症が出る風邪と異なり、身体に酸素を取り込む肺そのものが炎症を起こします。また、原因となる肺炎球菌は、 髄膜(ずいまく)炎や菌血症を起こすこともあり、65歳以上は特に重症化リスクが高くなっています。

 関節リウマチ患者さんにおいては、関節リウマチという病気そのものや治療薬によって抵抗力が低下しており、肺炎などの感染症に罹患するリスクは高いです。また、一般成人より肺炎球菌性肺炎など、肺炎球菌を原因とする感染症の発症率が高いことが国内外の研究から分かっています。

 高齢者の肺炎は診断が遅れやすいです。治療もありますが、いったんかかると重症化してしまうリスクを考えると、ワクチンで予防するという選択肢が重要です。このため、国は65歳の人(と60〜64歳で特定の基礎疾患のある人)を対象に、国や自治体からの補助で肺炎球菌ワクチンの予防接種を実施しています。そうした中、今年4月から肺炎球菌ワクチンが新しいタイプに切り替わりました。


<これまでのワクチンと新ワクチンとは何が違うのですか>


  新しいワクチンは、「20価肺炎球菌結合型ワクチン=PCV20=」というものです。免疫が働きやすくなるよう工夫された「結合型」というタイプで、従来のワクチンではカバーできなかった菌の型にも対応し、20種類の肺炎球菌の型に予防効果を持ちます。また、従来のワクチンは5年ごとの接種が推奨されていましたが、PCV20は一度の接種で生涯にわたり予防効果が持続するのも利点です。PCV20は諸外国では導入が進んでおり、日本でも小児の定期接種ですでに取り入れられ、高い予防効果や安全性が示されています。副作用も大きなものは報告されていません。

 PCV20は、免疫が働きやすくなるよう工夫されているので、免疫抑制下でも一定の抗体価の上昇が見込めます。免疫抑制作用のある薬を服用している関節リウマチ患者さんにとっても利点は大きいです。

 公費負担のある肺炎球菌のワクチン接種の料金は、住んでいる自治体により異なりますので、料金や接種を受けられる医療機関など詳しいことは各自治体に問い合わせてみてください。札幌の場合は、自己負担額は7,200円です。



佐川昭リウマチクリニック
古崎 章 院長


北海道新聞
クリニック北海道WEB版
https://www.clinichokkaido.net/

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