ゲスト/庄内歯科医院 庄内淳能 歯科医師
歯の健康に対する考え方が今と昔では変わりましたか。
昔は、1日1回歯を磨けば十分、歯医者へは虫歯が痛くなって我慢できなくなってから行く、というのが一般的でした。最近「健康な歯を大切にする」という認識が広まってから、食後は必ず歯磨きをする、異常がなくても歯科医で検診をまめに受ける、というデンタルケアが常識になりつつあります。
しかし、一定の年齢以上、特に歯科医が少ない地域に住んでいる年配者の中には、歯の日常的なケアをおろそかにし、歯を失う人が少なくありません。いくつになっても手遅れではありませんので、ぜひ歯科医を受診してほしいと思います。多く見られるのが、歯みがき不足による虫歯、歯肉炎です。また、以前入れた歯の詰め物や義歯がまったく合っていないのに、そのまま放置し、歯肉炎やかめない状態になっている場合も多く見られます。ぴったりの詰め物、義歯にするだけで、驚くほど快適になります。
日常の歯の手入れについて教えてください。
まず、歯科医を受診し、虫歯や歯肉炎などを治療します。一度すべてを治療した状態で、歯の健康を維持するために、正しいブラッシングを歯科医に指導してもらいましょう。やみくもに力を入れず、正しい角度で的確に汚れを落とします。特に歯と歯ぐきの間、歯周ポケットに汚れを残さないようにします。歯の状態に合わせて歯間ブラシ、糸ようじ、デンタルフロスなどを使用することも必要です。ただし、使い方を間違うと歯ぐきを傷めることがあるので、効果的な使い方を歯科医で教えてもらいましょう。
歯磨きは、食後の習慣にしましょう。口腔(こうくう)内を清潔に保つことで、虫歯や口臭予防以外にもインフルエンザなど感染症予防につながります。
年に1、2度は歯科医で検診を受けましょう。誕生日などを目安にすると忘れません。進行した虫歯は治療に時間が掛かり、患者側の痛みや金銭負担も重くなりますが、小さな虫歯であれば、ごく短い治療期間で治すことができます。歯石や歯垢(しこう)を落とし、口の中をすっかりクリーニングして、気持ちよく日常生活を送りましょう。