2009年6月24日水曜日

「シェーグレン症候群」について

ゲスト/青空たけうち内科クリニック 竹内 薫 医師 

シェーグレン症候群について教えてください
 シェーグレン症候群は、関節リウマチと同じ自己免疫疾患です。主に40~60歳代の女性に多く発症します。この疾患は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの膠原(こうげん)病に合併する続発性シェーグレン症候群と、合併のない原発性シェーグレン症候群の二種類に大別されます。
 代表的な症状としては、口の渇き、唾液(だえき)が出ない、口が渇いて会話や食事がうまくできない、虫歯が増える、口腔(こうくう)内が痛むなど、口腔乾燥症(ドライマウス)によるもの。涙が出ない、目が乾く、目がゴロゴロする、目が疲れる、目の痛み、目やに、物がゆがんで見えるなど、眼乾燥症(ドライアイ)によるもの。このほかに、鼻が乾く、関節が痛む、皮膚の異常、疲れやすいなどがあります。
 2002(平成14)年度の厚生労働省の調査によると、患者数は7万8千人ほどですが、潜在的な患者数は数十万人で、病気だと気が付いていない人が多いと考えられています。原因は不明ですが、本来体を守るべき免疫システムが、唾液腺や涙腺などの分泌腺まで攻撃してくるため、全身が乾いた状態になります。

診断、治療法を教えてください。
 口唇小唾液腺の生検組織でリンパ球浸潤がある。唾液分泌量の低下が、ガムテスト、サクソンテスト、唾液腺造影、シンチグラフィーなどで証明される。涙の分泌低下がシャーマーテスト、ローズベンガル試験などで証明される。抗SS‐A抗体か抗SS‐B抗体が陽性である。この中の2項目が当てはまれば、シェーグレン症候群と診断されます。
 今のところ完全に治す方法はありませんが、症状を軽くすることはできます。口の渇きには唾液腺を刺激して、唾液の分泌を促す人工唾液などの投薬治療が可能です。また、目の乾きには人工涙液の目薬があります。日常生活では、目薬や飲み物の持参、部屋の乾燥を防ぐ、バランスのとれた食生活などが症状の軽減につながります。
 ドライマウスやドライアイに悩まされているのであれば、一度診察を受けることをお勧めします。診断が確定したら、定期的な受診、検査を怠らず、処方薬をきちんと飲むことも大切です。

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