2009年6月3日水曜日

「紫外線と皮膚のトラブル」について

ゲスト/宮の森スキンケア診療室 上林 淑人 医師

紫外線と皮膚の関係について教えてください。

 紫外線が最も強くなるのが5月、6月です。北海道では初夏のさわやかな気候の下、アウトドアやスポーツ、運動会など屋外で過ごす時間が増える時期です。しっかりと紫外線対策をしないと、思わぬ皮膚のトラブルに悩まされます。紫外線には、UVAとUVBがあります。UVAは皮膚を黒くし、皮膚の深くまで入り込んでダメージを与え、シワやたるみの原因となります。UVBは皮膚の表面に作用し赤く炎症を起こすほか、シミやそばかすの原因になります。
 これら紫外線による皮膚のトラブルで代表的なものは日焼けです。また紫外線が原因となり、何らかのアレルギー反応を介して、腕や顔・首など日光露出部に一致して生じる日光過敏性皮膚炎が、この時期増える傾向にあります。本人の体質による場合もありますが、イチジクやセロリなど日光に反応しやすくなる食べ物、普段服用している内服薬、湿布などの外用剤が日光過敏の原因となっている場合もあり注意が必要です。

日光によるトラブルを予防する方法はありますか。

 できるだけ直射日光に当たらないことが重要です。日差しを避け、出掛けるときはつば広の帽子や日傘などを利用しましょう。さらに日焼け止めクリームなどサンスクリーン剤の使用が効果的です。サンスクリーン剤の容器には、SPFとPAが表示されています。SPFはUVBの防御レベルを、PAはUVAの防御レベルを示したものです。SPFは1から50までの数値で表示されます。数値が大きいほどUVBの防御能が高いことになりますが、数値にこだわらず、小まめに塗り直すことが大切です。3~4時間ごとに塗り直すのが効果的です。
 顔や腕には比較的忘れずにサンスクリーン剤を塗りますが、うっかり忘れてしまうのが、うなじから首にかけて、特に耳です。白い服は紫外線を反射しますが、ある程度通してしまうので、長袖を着ていてもその下にも塗りましょう。
 サンスクリーン剤をつけたままにしておくと皮膚が乾燥しやすくなります。クレンジング剤を使ってしっかり落とし、保湿剤などによる肌のお手入れをお忘れなく。

人気の投稿

このブログを検索