<COPDについて教えてください>
COPD(シー・オー・ピー・ディー)は、日本語で「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患」と訳されます。以前は肺気腫や慢性気管支炎などと呼ばれていた病気です。主な症状は、長引く咳(せき)や痰(たん)、坂道や階段の昇降時、雪かきなどの労作時の息切れなどです。
その後徐々に呼吸機能が低下していき、重症化すると呼吸困難を起こし、酸素吸入が必要になります。長期間にわたる喫煙習慣が主な原因であることから、COPDは「肺の生活習慣病」とも言われ、また、肺だけでなく、心臓血管疾患や骨粗鬆(そしょう)症、抑うつなどの併存症を引き起こす全身病でもあります。中高年での発症が多いため、階段の昇降などで息苦しさを感じても「年のせい」と思い込み、病気の発見が遅れるケースが多く、咳や痰などの症状を風邪が長引いているだけと放置してしまい、病状が進行し、病院を受診した時に重症化している場合も多いです。
また、ゆっくり進行するだけでなく、風邪などの感染症をきっかけに息切れなどの症状が急速に重症化(急性増悪と言います)し、この急性増悪を繰り返すたびに、呼吸状態が急速に悪くなり、入退院を重ねるなど、日常生活への影響も大きくなります。また、COPDは高血圧や狭心症を合併することが多いため急性増悪時にこれらの病気も同時に悪化しやすく、健康寿命を著しく短くします。
<COPDの治療について教えてください>
COPDの治療の主体は「吸入療法」です。気管支を広げる薬(気管支拡張剤)がベースで、異なる作用機序の気管支拡張剤の合剤を吸入しますが、進行例では吸入ステロイドを組み合わせた治療を行います。
2025年3月からは、生物学的製剤の「デュピルマブ(一般名)」が使えるようになりました。すでにぜんそくやアトピー性皮膚炎などで使われている注射薬で、アレルギー性炎症を引き起こす物質「IL(インターロイキン)-4」と「IL-13」をブロックします。COPDの中でも、血液中の好酸球数が増加している「2型炎症」と呼ばれるタイプに有効で、既存の治療では増悪を繰り返す患者さんに対しても、症状の改善や進行の抑制が見込めるようになりました。ただ、この薬は2週間に1回、注射する必要があり、公的医療保険の対象ですが、薬価が高額なのが難点です。高額療養費制度を利用することで、医療費が高くなった患者さんの自己負担を抑えることができます。
医療法人社団
大道内科・呼吸器科クリニック
大道 光秀 院長
北海道新聞
クリニック北海道WEB版
https://www.clinichokkaido.net/
