2003年5月14日水曜日

「大人のニキビ」について

ゲスト/宮の森スキンケア診療室 上林 淑人 医師

ニキビについて教えてください。

 正式には尋常性座瘡(じんじょうせいざそう)といい、アクネ菌の感染が関係する化膿性の皮膚疾患です。中学・高校生のニキビはホルモンの影響を多く受けています。この時期のニキビは、完全に無くそうとは思わず、少しでも減らし悪化させないことを目標にすべきです。それには、薬を塗るだけでなく、バランスのとれた食生活、規則正しい生活などが大切です。問題は大人のニキビです。中学・高校生のニキビのように原因が単純ではありません。ホルモンのバランスに加え、生活習慣、ストレス、疲労などが関係し、塗り薬だけでは治らない場合がほとんどです。悪化すると痛みやかゆみを伴い、またニキビ跡が肌にデコボコを作ったり、赤く残ったり、特に女性にとっては大きな悩みの一つになっています。さらに、ニキビを隠そうとファンデーションを厚く塗ることによって、悪化させるという悪循環に陥っている人も多いのです。

大人のニキビの治療法と予防について教えてください。

 経過を見ながらその人に合った治療法を見つけていかなくてはなりません。外用剤の選択、抗生物質やビタミン剤の内服など、原因や症状によって治療に違いが出ます。またニキビが出やすい体質を改善する目的で、漢方薬が効果的なことが多くあります。ニキビのタイプ、体力や体調、血の巡り、ホルモンバランスの乱れなど、総合的に判断し、その人に合った漢方薬を処方します。日常生活の中で、ニキビ予防を心掛けることも大切です。和食を中心にする、ストレスを貯(た)めず、お酒の飲み過ぎ、過労、寝不足を避けるなど、生活習慣を改善していけば、ニキビの予防につながります。また、正しい洗顔方法がニキビの予防と改善に重要です。クレンジングしてから洗顔するダブル洗顔を心掛け、洗い過ぎによる皮脂の落とし過ぎを避け、少し突っ張るくらいの洗い上がりを目標にしましょう。乳液、クリームなどの油分を多く含んだ化粧品は、使い過ぎるとニキビを悪化させることがありますので注意しましょう。ニキビ跡を残さないためには、早め早めに治すことが肝心ですので、気になったら専門医を訪ねてください。

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