2026年3月2日月曜日

糖尿病関連腎臓病(DKD)について

<糖尿病関連腎臓病(DKD)とはどのような病気ですか?>


 糖尿病の合併症で、放置すると徐々に進行する慢性腎臓病の一つです。血糖値が高い状態が長く続くと、血液をろ過し老廃物を尿として排泄する腎臓の機能が衰えます。ある程度進行すると、むくみや倦怠感などさまざまな症状がみられるようになり、最終的に「腎不全」となって人工透析が必要な状態に陥ります。

また、腎臓と心臓は密接に関速しており、同時に悪くなることが多く、DKDが進行すると心不全や心筋梗塞、脳梗塞のリスクも高まります。

 DKDは無症状で進行することがほとんどで、症状が出てからでは腎臓の機能は戻りません。そのため、早期に発見してそれ以上悪化しないようにすることが大切です。

 早期発見には定期的な尿・血液検査が必要です。尿検査では尿の中の「アルブミン」というタンパク質を測定します。尿中に30mg/gCr以上検出されるようになると腎臓のろ過機能の障害と考えられます。また、血液検査では血液中の老廃物の一種「クレアチニン」を調べます。血液中のクレアチニン濃度から算出されるeGFR(糸球体ろ過量)が60未満で慢性腎臓病、30未満になると高度腎機能低下とされます。


<治療について教えてください>


 DKDを発症した場合でも、早期に治療を開始することで進行を抑えられます。以前から使用されている「RAS阻害薬」は高血圧治療薬で、血圧のコントロールのほかに、尿中のアルブミンを減らし、eGFR の低下を抑えるなど腎臓を保護する働きもあります。2023年の診療ガイドラインでRAS阻害薬と共に第一選択薬となったのが、糖尿病治療薬の「SGLT-2阻害薬」です。尿から血液に吸収される糖を減らす作用を持つと同時に、DKDの進行を抑える効果も明らかになっています。また、「非ステロイド型 MRA(フィネレノン)」という薬も、糖尿病を伴う慢性腎臓病に対して、その効果が強く示されています。さらに、糖尿病や肥満症に使われている「GLP-1受容体作動薬」もアルブミン減少効果が認められており、腎保護効果が見込めます。

 最近では、これら4剤が「DKD治療の4本柱」と言われています。今後、これらの薬の組み合わせ方や使用のタイミングなどの臨床研究・結果が積み重ねられ、より効果的な治療法としてさらに進歩することが期待されます。





社会医療法人 延山会
北成病院
垂水 隆志 副院長

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