<秋の花粉症やアレルギー症状について教えてください>
秋に、鼻水が出たりくしゃみが出たり、目がかゆくなる。実は、こんな悩みを抱える人は多く、10月ごろになると、花粉症の症状とともにせきが長く続いて来院される患者さんが増えてきます。
また、ぜんそく患者さんの中にも、せきや息を吐く時に「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」という音がする喘鳴(ぜんめい)が出現するなど、ぜんそく症状が悪化する患者さんも出てきます。北海道の花粉症といえば、春のシラカバ、ハンノキのイメージが強いのですが、秋にも原因となる花粉は飛んでいます。北海道の秋の花粉症の主な原因は、キク科のヨモギです。道端や土手、河川敷、野山など身近な場所に生育する雑草です。8月中旬、お盆過ぎから少しずつ飛び始め、9月上旬が飛散のピークとなります。
また、ダニはぜんそくや鼻炎といったアレルギー性の疾患を悪化させる原因物質(アレルゲン)ですが、ゴキブリやガ、ユスリカなどの昆虫やその死骸も原因になることがあります。これらは「昆虫アレルゲン」と呼ばれ、秋に増えます。
ゴキブリは、北海道にも生息する<チャバネゴキブリ>が、アレルギーに関係します。ガは屋外だけでなく、食品に発生する<メイガ>や衣類に発生する<イガ>など屋内にも発生します。飛んできた大量のユスリカが網戸などにくっついたまま死骸となり、室内に入り込むこともあります。昆虫アレルゲンは、アレルギー疾患の原因として頻度が高いにもかかわらず、認知度が低いため、見過ごされていることも多く、注意が必要です。
<アレルギー対策について教えてください>
原因にかかわらず、アレルギー性疾患の治療では、その原因物質を避けることが重要です。ヨモギ花粉から身を守るには、ヨモギを駆除することと、ヨモギの花粉が飛んでいる時季にヨモギに近づかないこと。昆虫アレルゲンに対しては、室内を小まめに掃除するなど、虫を家の中への侵入を許さない、発生させない、成長させない環境づくりが大切です。
秋になり、花粉症やアレルギーの症状でお悩みの方は、医師に相談して、アレルギー検査(血液検査)を実施することで、その症状が花粉や昆虫アレルゲンによるものかどうかを調べることができます。気になる症状が続く時は、かかりつけの医師や専門医にご相談ください。
医療法人社団 大道内科・呼吸器科クリニック
北田 順也 副院長