2021年3月17日水曜日

白内障

 ゲスト/月寒すがわら眼科 菅原 敦史 院長


白内障とはどんな病気ですか。

 白内障は、目の中の水晶体という部分が白く濁って見えにくくなる病気です。水晶体を通る光が濁りによって妨げられて、物がかすんで見えたり、光をまぶしく感じたりします。症状は急に起こるのではなく、少しずつ見えづらくなっていくので、進行するまで気付かないことが多いです。

 白内障の原因の大半は加齢に伴うもので、早い人では40歳代に発症します。50歳、60歳と年代が上がるにつれ罹患率は増え、80歳代ではほぼ100%がかかるとされています。

治療について教えてください。

 初期の白内障は点眼薬で進行を遅らせることができますが、濁った水晶体を元に戻すことはできません。進行した白内障には手術が行われます。手術では眼球に2.4mm程度の極めて小さい切開を行い、超音波によって水晶体を細かく砕いて取り除きます。代わりに、人工の水晶体である「眼内レンズ」を挿入します。局所麻酔を使用するため手術中の痛みはほとんどありません。手術は10~15分で終了し、最近は日帰りでの手術が主流になっています。

 眼内レンズは1つの距離に焦点を合わせた「単焦点眼内レンズ」が使われていますが、近年では、遠距離と近距離の2点に焦点が合うように設計された「多焦点眼内レンズ(自費診療)」も一般的になってきました。それぞれのレンズの特徴をよく理解した上で、医師とじっくり相談しながら比較し、価格面も含め自身のライフスタイルに合わせて納得してから治療を受けることが大切です。

 70歳以上の方が運転免許を更新するには、その数か月前に高齢者講習を受講することが必要です。講習には視力検査を含む運転適性検査があります。講習の時点で視力が足りなくても直ちに免許証を取り上げられることはありませんが、その後の免許更新時の視力検査に合格できなければ、免許が取り消しになることもあります。超高齢化社会を迎えたわが国では、白内障に罹患する人口が激増しており、手術を希望されても1カ月〜数カ月待ちになる場合も少なくありません。白内障が原因で視力が落ちているときは、講習や更新に間に合うよう手術の予定を入れる必要があるので、早めに眼科を受診して自分の目の状態を把握しておくことが重要です。