2021年3月10日水曜日

コロナ禍のメンタルヘルス

 ゲスト/医療法人北仁会 いしばし病院 内田 啓仁 医師


コロナ禍でメンタルヘルス(心の健康)不調やうつ病は増加しましたか。

 新型コロナウイルスの感染拡大が問題となる中、外出自粛や休校、在宅勤務などによって社会環境は大きく変わりました。こうした変化と感染に対する不安にストレスを感じている人も少なくないと思います。実際に「コロナうつ」という言葉が生まれるなど、世界でメンタルヘルスの不調やうつ病の兆候を示す人が増えています。

 また、通常時でも秋から冬にかけては気分が落ち込む人が増えます。日照時間が短くなる季節に繰り返して生じるうつ症状の一種で、「冬季うつ病」「季節性感情障害」と呼ばれています。新型コロナの影響が長期化しているので、今まで持ちこたえていた人が息切れしてしまう懸念もあります。


心の不調を防いだり、「コロナうつ」に備えたりするにはどうしたらいいですか。

 まず、新型コロナに対しては「正しく恐れる」心構えを持つことです。徐々に対策や治療方法が明らかになっています。手洗いやうがいをすること、三密を避けることなどの対策によって感染リスクを下げられます。重症化するケースはしないケースよりはるかに少ないことも理解しておきましょう。

 身体的健康は、心の健康に直結します。規則正しい生活を送ることが何よりも重要です。食事、睡眠などの生活リズムを整え、少しでも運動をすることが大事です。毎日、同じ時刻に起きて窓際などで日光を浴びましょう。朝食を食べ、しっかりと目を覚ましてください。日中も意識して体を動かしましょう。自宅でのストレッチや体操、人混みを避けての散歩やウォーキングをお勧めします。また、心身をリラックスさせるのに有効なのが「腹式呼吸」です。背筋を伸ばして胸を軽く開き、鼻からゆっくりと息を吐いていきましょう。お腹の中の空気をすべて出すイメージで、おなかがへこむまで吐き切ります。非日常の生活に対応していくためには、心身を整える時間を意識的に持つよう心掛けることが大切です。孤独もストレスや心の不調の原因の一つです。友人や大切な人と電話、メール、SNSを利用して連絡を取り合ったり、オンラインでの集まりなど、“人とのつながり”を保ち、“笑う時間”や“楽しい時間”をつくることも考えましょう。

 日常生活に支障が出るほどの辛さ、苦しさを感じたり、不眠症状が現れたりする時は、精神科・心療内科を受診して相談してみてください。