2016年12月28日水曜日
睡眠時無呼吸症候群
ゲスト/白石内科クリニック 干野 英明 院長
睡眠時無呼吸症候群とはどのような病気ですか。
夜寝ていて大きないびきをかいていると思ったら、そのいびきが突然止まったりすることはありませんか。朝起きた時に熟睡感がなく頭痛がして体が重く、日中に強い眠気やだるさを感じ、物事に集中できないことはありませんか。もし心当たりがあれば、それは睡眠時無呼吸症候群かもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は名前の通り、眠っている間に呼吸が止まる病態です。無呼吸とは呼吸が10秒間以上止まっている状態を指します。睡眠中に無呼吸が7時間に30回以上、または、1時間に5回以上あれば睡眠時無呼吸症候群に該当します。その多くは、眠っている時に、舌や口蓋垂(のどちんこ)が、空気の通り道である気道を塞いでしまうことによります。気道が狭くなる原因として多いのが、肥満により首や喉の周りに余分な脂肪がつくことです。扁桃肥大やアデノイドも原因となります。また、もともと顎が小さかったり、気道が狭かったりして起こる場合もあります。
睡眠時無呼吸症候群は日常生活にさまざまな影響を及ぼします。例えば、繰り返し呼吸が止まることによって、低酸素状態となり自律神経が乱れてきます。また、肥満から動脈硬化が進みやすくなり、糖尿病や高血圧、脳卒中などを引き起こす原因になります。心臓にも負担がかかり、不整脈や心疾患にもつながります。日中の強い眠気により、車の運転中などに重大な事故を招く危険性もあります。
睡眠時無呼吸症候群の検査と治療について教えてください。
検査方法は、簡易検査と「終夜睡眠ポリグラフ検査」があります。簡易検査は自宅で無呼吸の有無を調べます。終夜睡眠ポリグラフ検査は、病院に一晩入院して体にセンサーを取り付け、無呼吸の程度や酸素の低下状態、脳波などを詳しく調べるものです。確定診断のためには終夜睡眠ポリグラフ検査が必要です。
特殊なマウスピースを装着し気道を広げる方法や、手術で喉を広げる方法など、治療法にはいくつかありますが、現在主流となっているのはCPAP(シーパップ)と呼ばれる治療です。寝ている時間だけ鼻にマスクを装着し、接続した機械から鼻マスクを通じて、一定の圧力をかけた空気を気道に送ります。これによって、気道が狭くなるのを防ぎます。CPAPは保険適用の治療で、継続することで科学的にも効果が証明されています。
人気の投稿
-
<身体的な疾患が原因となって精神症状が出るケースを教えてください> 精神科で扱う精神症状は、気分の落ち込み(抑うつ)や高ぶり(躁)、不安、幻覚、妄想など多岐にわたります。「うつ病」や「統合失調症」といった精神科病名の診断で治療を行うことが多いですが、中には身体疾患が...
-
<RSウイルスについて教えてください> RSウイルスは「呼吸器合胞体ウイルス」とも呼ばれ、一般的には乳幼児の呼吸器感染症の原因ウイルスとして知られています。RSウイルスは、2歳までにほぼすべての乳幼児が罹患し、何度も感染します。秋から冬にかけて流行し、5日ほどの潜伏...
-
<関節リウマチと認知機能・身体機能低下の 関係について教えてください> 関節リウマチは、関節を構成する滑膜という組織で炎症が起き、全身の関節に腫れやこわばり、痛みが生じる炎症性疾患です。その炎症の中心にあるのが「IL-6(インターロイキン6)」という炎症性サイトカイ...