2011年5月6日金曜日

眼瞼痙攣(がんけんけいれん)

ゲスト/大橋眼科 大橋 勉 院長

眼瞼痙攣とはどのような病気ですか

 眼瞼痙攣は、目の周りの筋肉が自分の意志とは関係なく痙攣する病気です。症状はまばたきが増えたり、まぶしさを感じたりすることから始まり、症状が重くなるとまぶたが開かなくなり、目がうまく使えない状態にまで進んでしまうこともあります。パソコンなどで目をよく使う人だけでなく、普通に生活している人にも多い病気です。はっきりとした原因は不明ですが、単純なドライアイと診断されて放置されている場合も少なくありません。
 診断は、屋内外でまぶしさを感じるか、まばたきが多いかといった点を尋ね、その結果、眼瞼痙攣の疑いが強ければ、速さや強さを変化させながらまばたきをしてもらい観察します。ドライアイなど、症状の似たほかの病気と間違わないように注意します。
 眼瞼痙攣は、50〜70歳代の、特に女性に多くみられる病気です。女性のかかる割合は、男性の約2倍といわれています。若い人の場合は薬の影響で症状が出る「薬剤性眼瞼痙攣」も考えられます。ベンゾジアゼピン系という種類の睡眠薬や抗不安薬との関係が代表的です。この場合は処方している医師と相談しながら、薬を減らしたり、止めたりできないかを検討します。

眼瞼痙攣の治療について教えてください。

 眼瞼痙攣の治療は、軽度の場合内服、改善が認められない場合は、ボツリヌス毒素を用いたボトックス治療が基本です。ボトックス治療は、ボツリヌス菌という細菌の毒素を、左右の目の周りに4〜6カ所ずつ注射する治療です。ボツリヌス菌を注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染するといった危険性はありません。投与した部位に作用して、神経の働きを抑え、筋肉のけいれんや緊張を抑えることができます。注射後2〜3日で効果が表れ、3〜4カ月持続します。
 疲れていたりすると、まぶたや目の周りがピクピクすることはよくあることです。しかし、その症状がいつまでも治らなかったり、症状の範囲が広がったりしたら、治療が必要です。眼瞼痙攣は放っておいて自然に治る病気ではありません。「ドライアイの治療を受けても治らない」「目が開けにくく外出を控えている」「まぶしくて帽子やメガネが手放せない」など目に違和感を感じたら、一度専門医に相談されることをお勧めします。

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