2003年8月20日水曜日

「医療ピーリング」について

ゲスト/森皮フ科医院 森 尚隆 医師

医療で行うピーリングについて教えてください。

 正常な肌は、表皮の基底層で生まれた表皮細胞が角質層に達し、最終的に垢(あか)となってはがれ落ちる周期が約28日間といわれています。しかし、その周期(ターンオーバー)が乱れると、古い角質が肌の表面に徐々に蓄積され厚くなり、ニキビ跡・角質肥厚・毛穴の詰まりなど、さまざまな皮膚トラブルの原因になります。ピーリングは、古い角質を剥離(はくり)させることによって、新陳代謝を促進し、皮膚が本来持つ修復能力を利用して、新しく柔らかい角質細胞の形成、すなわち肌の生まれ変わりを促す施術です。

ピーリング治療法としてどのようなものがありますか。

 代表的な治療法として「ケミカルピーリング」があります。AHAと呼ばれる酸性の液体を皮膚に塗り、皮膚表面の角質層を傷が残らないようにはがすものです。AHAは、サトウキビ、ヨーグルト、リンゴなど自然界にも存在する酸で、フルーツ酸とも呼ばれています。古い角質を取り除くと、新しい角質細胞が形成されます。この施術を1週間に1度、何度か繰り返すと、ニキビや毛穴の汚れ、肌のくすみなどが改善され、化粧のりが良くなります。定期的に行うことによって、皮膚のターンオーバーが正常になり、毛穴が詰まりにくくトラブルの少ない肌に改善されます。また、ニキビに対しても大変有効な治療法です。ほかに酸を使用しない新しいタイプのピーリングで、機械を使用する「ダイヤモンドトーン」という治療法もあります。古い角質や毛穴の黒ずみの除去、ニキビ跡の修復、角質のトラブルによるシミなどに効果を発揮します。ダイヤモンドの粒子が付いたバーで皮膚をなぞり、吸引しながら肌表面の角質を削っていくものです。痛みもなく、ほとんどの肌タイプに対応できます。さらに「イオン導入」という治療を併用するとより効果が期待できます。肌の奥まで届きにくい、ビタミンCやプラセンタエキスなどの有効成分を微弱電流でイオン化し、真皮層まで浸透させます。ご紹介した治療は保険適用外なので、専門医によく相談してください。

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