2002年7月3日水曜日

「ペインクリニック」について

ゲスト/札幌一条クリニック 後藤康之 医師

どのような時、ペインクリニックを受診すればいいのですか。

 痛みを伴う疾患の診断、治療を行うのがペインクリニックです。頭痛、片頭痛、顔面痛、顔面神経麻痺、三叉(さんさ)神経痛、肩・腰・関節の痛み、ギックリ腰、帯状疱疹(ヘルペス)、座骨(ざこつ)神経痛、ガンによる痛み、心因性の痛みなど、痛み、しびれのある症状なら、すべて治療の対象になります。痛みがあれば緩和するというのは、アメリカでは一般的なことで、各診療科目と協力して行っている場合が多いのですが、日本ではまだ数が少ないのが現状です。「痛いくらい我慢しなければ」「手術したんだから痛くても当たり前」というような「我慢すべきこと」として痛みがとらえられているからです。しかし、痛みというのは、当事者にとって大きなストレスになり、さらにストレスによって痛みが増幅することも多いのです。痛くて眠れない、食べられないということもあります。痛みを緩和し、患者の生活の質を上げることが、痛みの緩和治療、ペインクリニックの仕事です。また、最近増えているのが、心因性の痛みです。大きな悩みやストレスが体の痛みにつながっているわけですが、患者自身にも原因がわからないため、「どんな病院を受診すべきか」「いくら検査しても悪い所が無いが、確かに痛い」と困惑している人も多いのです。このような場合も、ペインクリニックでは、治療とともに、原因を探るためにじっくり時間をかけて診断します。

具体的にはどのように痛みを緩和するのでしょうか。

 神経ブロック療法といって、注射で局所麻酔薬などを神経周辺に入れ、痛みを遮断します。一度で痛みがとれる場合もあるし、何度か通ってもらうこともあります。痛みの原因は何らかの疾患によることが多いので、治療を行うにあたっては、内科、神経内科、整形外科などいくつもの診療科との協力を得ることも肝心です。治療では神経という繊細な部分を扱うため、高い技術や豊富な経験も必要となります。痛みがあったら我慢せず、ぜひ専門医を訪ねてください。

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