2002年4月10日水曜日

「生活習慣病」について

ゲスト/北広島中央クリニック 今井良成 医師

生活習慣病にはどんな病気がありますか。

 高血圧や、血液中のブドウ糖をエネルギーに変えるインスリンの作用が不足し、高血糖状態が続く糖尿病、血液中のコレステロールや中性脂肪の数値が高い高脂血症などが多くみられます。これらは初期には特に自覚症状が無いのですが、進行すると動脈硬化をきたし、心筋梗塞(こうそく)や狭心症などの心臓疾患、脳梗塞、足の動脈が詰まる閉塞性動脈硬化症など重大な合併症を引き起こします。

どのような治療法がありますか。

 生活習慣病は、その名の通り生活習慣に起因するものですから、タンパク質、糖質、脂肪、ビタミン類など栄養素のバランスを考えながら1日の総カロリー摂取量を調整する食事療法、ウオーキングや水中歩行など適度な運動を生活に取り入れる運動療法が治療の基本となります。カロリー摂取量、運動の種類や時間は、症状や体質により異なりますので、専門医や栄養士に相談の上で行ってください。また、高血圧をはじめ多くの生活習慣病には、ストレスも悪影響を及ぼしますので、休暇を取ってのんびり過ごすことも大切です。

近年、増えている生活習慣病はありますか。

 慢性肺気腫(しゅ)という肺の病気も、喫煙歴が関与しているという意味で生活習慣病といえます。長年の喫煙により、酸素と二酸化炭素を交換する場所である肺胞が慢性的に拡張し、喘鳴(ぜんめい)や息切れ、呼吸困難などの症状をきたす病気です。症状が進行すると酸素吸入が必要になりますが、最近では在宅酸素療法が少しずつ普及し、患者さんの生活の質の改善に役立っています。また、食生活の欧米化、幼年期からの慢性的な運動不足に加え、不規則な食事も原因の一つとして、これまで中年以降の病気といった印象の強かった2型糖尿病や高脂血症が、若い人でも見られるようになってきています。生活習慣病の治療は、患者一人ではなく家族全体にもかかわる問題ですから、定期的な検診で自分の健康状態を把握し、早期の生活改善をおすすめします。

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