2026年1月5日月曜日

冬は「しもやけ」に注意

<しもやけとはどのような病気ですか>


 寒い冬はしもやけが起こりやすい季節です。「手や足の指先が赤くなって腫れている」と訴えて来院される方が急に増えますが、診察するとしもやけであることが多いです。しかしながらほとんどの方が、しもやけだと自覚していないようです。しもやけであることを伝えると、「えっ?」と意外な表情をします。

 しもやけは医学的に「凍瘡(とうそう)」とも言います。人間の体は寒冷刺激を受けると体温を維持するために、手や足の指先など抹消の毛細血管が収縮します。すると、血液の循環が悪くなって、指先はさらに冷たくなります。その状態で暖かい室内などに移動すると、一転して体が温まり毛細血管が拡張し、一気に血液が流れ込みます。この毛細血管の収縮と拡張が原因で、指先が赤くむくんで痛くなったりかゆくなったりします。これがしもやけのメカニズムです。幼い頃、雪遊びを楽しんだ後にしもやけになったという思い出のある人もいらっしゃると思いますが、寒暖差があれば室内でも発症します。

 発症には、冷え性や血行不良といった体質、遺伝的要素が関係しているとされます。もともと血行の良くない高齢者や、糖尿病、手足の血管が細くなったり詰まったりする閉塞性動脈硬化症を持病とする方は重症化しやすく、壊死(えし)に進むリスクもあるので特に注意が必要です。



<しもやけの治療と予防について教えてください>



 症状が悪化すると治療に時間がかかるので、できるだけ早く皮膚科を受診することが大切です。炎症を抑えたり、血行を良くしたりする塗り薬を処方するのが一般的です。かゆみが強く、赤みや腫れがひどい場合には、副腎皮質ホルモン(ステロイド)が使われます。冷え性と血流を改善する目的で漢方薬が有効なケースも多いです。

 毎年のようにしもやけに悩まされる人も少なくないです。しもやけになりやすい人は、自分の体質に合わせて、あらかじめ予防したり、対策を取ったりすることが大事です。第一に、手足の指先を冷やさないこと。冷え性の方はなおさらです。手袋や温かい靴下の着用、使い捨てカイロや防寒靴の使用などで工夫してください。また、足が蒸れやすい方は、汗の蒸散に伴ってさらに熱が奪われるため、余計に冷えます。蒸れたり濡れたりした靴下はすぐに取り替えるなど、冬でも汗のケアを忘れずに行いましょう。




宮の森スキンケア診療室
上林 淑人 院長

2025年12月15日月曜日

精神病性の特徴を伴う双極性障害

<双極性障害について教えてください>


 双極性障害は、気分が落ち込んで、気力が湧かず憂(ゆう)うつな「うつ状態」と、うつ状態とは逆に気分が高揚し、発言や行動が活発で抑制が利かなくなりがちな「そう状態」を繰り返す病気です。

2025年11月21日金曜日

帯状疱疹ワクチンについて

<帯状疱疹について教えてください>


 近年、帯状疱疹(ほうしん)になる方が増えています。帯状疱疹は体や顔の左右のどちらかに痛みを感じ、水ぶくれのある発疹が出ます。半月くらいでかさぶたになって治ることが多いのですが、「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる痛みが続くこともあります。   

 帯状疱疹は、水痘(水ぼうそう)帯状疱疹ウイルスの感染が原因です。過去に水痘にかかった時に、神経の中にウイルスが潜伏し、体の抵抗力が下がった時などに再び活性化して帯状疱疹を発症します。

2025年11月10日月曜日

関節リウマチと認知機能・身体機能低下の関係

<関節リウマチと認知機能・身体機能低下の
関係について教えてください>


 関節リウマチは、関節を構成する滑膜という組織で炎症が起き、全身の関節に腫れやこわばり、痛みが生じる炎症性疾患です。その炎症の中心にあるのが「IL-6(インターロイキン6)」という炎症性サイトカインです。

 サイトカインとは、さまざまな刺激によって免疫細胞などから産生されるたんぱく質で、主に身体に侵入した細菌やウイルスなどの異物を排除するための役割を担っています。

2025年10月27日月曜日

高血圧治療ガイドライン改訂のポイント

<今年8月に高血圧治療ガイドラインが改訂されましたが、
そのポイントを教えてください>

 高血圧は自覚症状がないことが多いですが、脳心血管病の最大の危険因子です。日本高血圧学会は今年8月、「高血圧管理・治療ガイドライン2025」を発表しました。今改訂では、高血圧の治療で血圧を下げる際の目標値(降圧目標)について、75歳以上で上の血圧と下の血圧をこれまでより10引き下げ、「上130mmHg未満・下80mmHg未満」に抑える新たな治療指針が盛り込まれています。

人気の投稿

このブログを検索