2026年9月14日月曜日

虚血性腸炎

<虚血性腸炎とはどのような病気ですか>


 虚血性腸炎とは、何らかの原因で大腸への血液の流れが悪くなり、循環障害が起こることによって生じる病気です。高齢者に多いですが、若年者にも発症します。男女差はありません。高血圧、糖尿病などの動脈硬化と関係している疾患を持っていることが危険因子とされます。また、便秘やストレスが関係していることもあります。

 典型的な症状は、突然の強い腹痛(主に左下腹部)で始まります。冷や汗や悪心(おしん)、嘔吐を認めることもあります。その後、便意を催し下痢を数回しますが、徐々に血性の下痢になっていきます。似たような症状を起こす病気に感染性腸炎、大腸憩室炎、潰瘍性大腸炎、クローン病などがあり、これらの病気と鑑別する必要があります。

 最も診断に有効なのは、内視鏡検査です。主に大腸の左側にあるS状結腸から下行結腸の部分に、特徴的な粘膜のむくみ、発赤やただれ、潰瘍が見つかると虚血性腸炎が強く疑われます。病気の臨床経過により一過性型〈約65%〉、狭窄型〈約25%〉、壊疽(えそ)型〈約10%〉に分類されます。一過性型は、安静や点滴などにより完治するタイプです。狭窄型は、潰瘍が治る過程で腸が狭くなり便の通過が悪くなる例、壊疽型は大腸への血流が回復せず腸管が壊死を起こすまれな例です。


<虚血性腸炎の治療について教えてください>


 一過性型や狭窄型に対しては、原則として保存的治療が選択されます。炎症の程度にもよりますが、腸管の安静のため絶食にして、補液や抗生物質の投与を行うこともあります。一過性型は、1〜2週間程度の治療にて軽快することがほとんどです。狭窄型の場合、狭窄が強く、腹痛や下痢などの症状が長期間続く時には外科的手術を行うケースもあります。壊疽型は症状が急速に進行し、腹膜炎を併発するなど重篤になる可能性があるので、早急な手術が必要です。

 予防、治療後の再発予防には、高血圧や糖尿病、脂質異常症などを合併している方は生活習慣病のコントロールが重要です。生活習慣病をしっかり管理し、血管を健康に保つこと、そして、血流が悪くならないよう普段から水分を多めに摂取すること、適度に運動することを心掛けてください。他にも、正しい排便習慣を身につけることや、なるべくストレスがかからないように生活することなども効果的です。



医療法人社団慈昂会
琴似駅前内科クリニック
髙柳 典弘 院長

北海道新聞
クリニック北海道WEB版
https://www.clinichokkaido.net/

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