<整形外科と内科の連携について教えてください>
今後の地域医療を考えたとき、整形外科と内科の診療機能とその連携を強化していく必要があると考えています。高齢の患者さんが来院・通院されることが多い整形外科は、医療機関の中でも“高齢社会の進展”に特に影響される診療科目です。
加齢やスポーツ外傷などが原因による骨、関節、筋肉、神経など運動器の痛み・障害を診る整形外科ですが、高齢の患者さんの多くは糖尿病や高血圧、心臓や腎臓、呼吸器や消化器などに持病・併存症を抱えており、安全性などの面から整形外科医だけで診療・治療するのが難しいケースも珍しくありません。そのため、多職種が連携した早期治療・手術、周術期管理、予防が不可欠で、特に内科医との連携は重要です。整形外科医と内科医が密接に連携し、骨折や変形性関節症といった整形外科疾患と糖尿病などの併存症の治療・管理を総合的に行うことで、安全に手術を受けて頂くことが出来ます。
当院では、整形外科を柱に内科、救急科、リハビリ科や訪問診療・訪問リハビリなどが密に連携し、診療科や職種の枠を超えたチーム医療を実践しています。
<高齢者救急について教えてください>
自宅や高齢者施設で体調が悪化し、救急搬送される高齢者の方が増えています。現在は熱中症や脱水など季節的な症状で搬送されてくることが多いですが、整形外科では背骨の圧迫骨折、内科では誤嚥性肺炎で運ばれてくる患者さんが目立ちます。
当院では、脳卒中や心筋梗塞など迅速な対応が必要な高度な救急診療ではなく、高齢者の皆さんの身近な病気──転倒・転落による骨折・外傷、圧迫骨折、熱中症や誤嚥性肺炎などの救急受け入れに力を注いでいきたいと考えています。救急医療でもいまだ“大病院志向”は根強く、救急隊員へ希望される方もいらっしゃると思いますが、生死に影響しない状態の救急搬送者を、一刻を争う医療対応が求められる大病院が受け入れているのは、本来果たすべき役割である重症患者の診療に支障を来す可能性があるということを知っていただきたいです。
地域の別の医療機関や高齢者施設と連携し、救急医療の役割分担をしっかりと整理し、「なくてはならない」「ここに来れば安心」と地域に根差した存在になれるよう努めていきたいです。
医療法人 知仁会
八木整形外科病院
井畑 壮詞 内科医長
