2025年12月15日月曜日

精神病性の特徴を伴う双極性障害

<双極性障害について教えてください>


 双極性障害は、気分が落ち込んで、気力が湧かず憂(ゆう)うつな「うつ状態」と、うつ状態とは逆に気分が高揚し、発言や行動が活発で抑制が利かなくなりがちな「そう状態」を繰り返す病気です。

 双極性障害で生じるうつ病エピソードや躁病エピソードでは幻覚や妄想などの精神病症状を伴うことがあります。うつ病エピソードで多くみられるのは、自分や家族が経済的に困窮し、生活ができなくなると思い込む「貧困妄想」や、自分が大きな罪を犯してしまったという自責の念に苦しむ「罪業妄想」、医学的な根拠がないにもかかわらず、自分が重篤な病気にかかってしまったと思い込む「心気(しんき)妄想」などです。うつ病エピソードでは、重症化すると自殺の危険性が高まり、一般の方と比べ約15倍も自殺のリスクが高くなると指摘されています。

 また、そう病エピソードは、自分は特別な能力を持っている、大富豪である、高貴な生まれである、神の生まれ変わりであるなどの「誇大妄想」や、自分は特別な存在なので迫害を受けていて、警察に追われている、などの「被害妄想」を認めます。


<診断と治療について教えてください>


 双極性障害は、うつ病エピソードで発病することが多いです。双極性障害のうつ病エピソードとうつ病は症状が似ているため、診断が難しいです。なかなか治らないうつ病と思っていたら、実は双極性障害だったというケースも少なくありません。双極性障害とうつ病は治療に用いる薬も異なるため、この2つの病気をしっかりと鑑別することが重要です。

 治療は薬物療法が有効です。うつ状態とそう状態の気分の波を小さくするために気分安定薬が用いられ、非定型抗精神病薬を併用することが多いです。薬が十分に効かない場合は、全身麻酔をした上で、パルス波で脳の神経細胞を刺激する「修正型電気刺激療法」が有効です。

 治療せず放置していると、重症化したり、再発を繰り返したりします。本人が気づきにくい病気なので、周囲が「今までと様子が違う」ことに気づいたら、いち早く医療機関につなげることが大切です。継続的な治療が必要な病気ですが、元気に回復した人や症状をコントロールしながら普通に日常生活を送っている人もたくさんいることを知ってほしいと思います。



医療法人 耕仁会
札幌太田病院

太田 健介 院長





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