2025年8月25日月曜日

大人の発達障害

<大人の発達障害について教えてください>


 「自分は発達障害ではないか?」と自ら疑って精神科外来を受診する人が増えています。大人の発達障害とはどのような病態なのでしょうか。大人の発達障害は自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如多動症(ADHD)に大別されます。両者の特徴をもっている人もいます。

 ASDの第1の症状は、対人関係をうまく築けず、相互的なコミュニケーションが苦手であることです。具体的には「相手が何を考えているかを察することが難しい」「場の雰囲気を感じることができない」「言葉の言外のニュアンスが分からない」などが挙げられます。

 第2の症状は、いわゆる「こだわりの強さ」です。具体的には「特定の事物に強い執着を示す」「手や指を動かすなどの奇妙な動作を繰り返す」「特定のアイドルやスポーツなどに関するものを、際限なく収集する」などが挙げられます。また音や光、匂い、皮膚感覚などについて過敏さがみられることもASDの特徴です。

 一方、ADHDの症状は、大きく分けると「不注意症状」と「多動・衝動性」の2つです。不注意の症状は「注意・集中が続かず、ケアレスミスが多い」「物をなくしたり、置き忘れたりする」「片付けが苦手」「段取りが下手で、先延ばしにする」「約束を守れない」などです。

 多動・衝動性の症状は「落ち着きがない、そわそわする」「しゃべりすぎる」「質問が終わる前に出し抜いて答えてしまう」「衝動買い、金銭管理が苦手」などです。


<どのような対応や治療が必要ですか>


 まず、精神科や心療内科を受診し、詳しい検査を行って正しい診断を受けて、発達障害という病態についてよく知ることが重要です。

 次に、自分の特性について学び、得意不得意を知ることで学校や職場における適応を改善することです。また、発達障害は二次障害としてうつ病や不安障害を合併していることが多いため、その場合は二次障害であるうつ病や不安障害などの病気をきちんと治す必要があります。

 治療については、薬物療法により問題となる症状を改善すること、個人精神療法や集団精神療法、リハビリテーションによって、さまざまな生活場面における適切な行動の仕方を学ぶことなどの治療法を行います。




特定医療法人社団慈藻会
平松記念病院
傳田健三 院長

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