2023年12月29日金曜日

塩分を減らそう!

  高血圧などにつながる塩分の取り過ぎは、年代にかかわらず気を付けたいことです。厚生労働省は2024年度からの国民健康づくり計画「健康日本21(第三次)」で、約十年かけて一日当たりの食塩摂取量を現状の10.1グラムから、7グラム未満に引き下げる目標を掲げています。

 今回は、日々の生活の中でできる減塩の工夫をまとめました。


<塩分の取り過ぎでどんな影響が?>


 日本人は世界的に見ても塩分を取り過ぎています。その理由は、和食です。和食はバランスが良い食事ですが、ただ一つの欠点は塩分が多いことです。

 塩分を取り過ぎると、血液中のナトリウムの濃度が高くなり、濃度を下げようとするために水分を多く取り込むようになります。その結果、体を巡る血の量が増え、細い血管の壁にかかる抵抗が高くなり、血圧が上がるとされます。この状態が続くと、動脈硬化につながり、動脈硬化は脳血管疾患や心疾患、腎臓疾患などのリスクを高めます。

 専門の医師らでつくる日本高血圧学会は、「減塩」を呼びかけています。


<減塩生活を始める(続ける)ポイント>


 塩分の取り過ぎを防ぐには、どんなことに気を付ければいいのでしょうか。

 最も大切なのは、塩分の薄い味が当たり前という食事を家庭で実行することです。薄味の食事を物足りなく感じる人もいるかもしれませんが、薄味は「慣れ」がポイントです。徐々に塩を減らしていくと、薄味でも満足できることが知られています。濃い味が好きと思い込んでいる人でも、少しずつ塩を減らせば慣れていくはずです。昆布やかつおだしのうまみ、ハーブやスパイス、果物の酸味を上手に活用して減塩し、しかもおいしく食べられるように家庭で工夫してください。また、外食やスーパーの惣菜で減塩メニューを選ぶ、味がついているものに調味料を加えない、ラーメンやうどんなど麺類のつゆを残す、などできることから始めてみましょう。

 もう一つは、野菜や果物、海藻類、きのこ類をたくさん食べることもお勧めします。これらの食材は、カリウムや食物繊維を多く含んでいます。カリウムは、尿と一緒にナトリウムを体の外に出す働きがあります。また食物繊維も、ナトリウムを吸着して体外への排出を助けます。高血圧だけでなく糖尿病や脂質異常症など、他の生活習慣病対策としても有効です。ぜひ意識して取り入れてください。

 大人だけでなく、子どもも減塩を意識した生活が大切です。若いから大丈夫というわけではありません。早いうちから薄味に慣れたり、減塩を意識した行動を取れるようにすることが、将来、高血圧などの生活習慣病を予防することにつながります。



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