2022年4月20日水曜日

春先に増えるニキビの治療と予防

 ゲスト/宮の森スキンケア診療室 上林 淑人 院長


ニキビについて教えてください。

 進学や就職、出会いや別れ…と、新生活がスタートする春は何かと心身にストレスを受けやすい季節でもあり、肌荒れ、特にニキビに悩む方が多く来院されます。また、コロナ禍のマスク生活が長引き、「マスクのところにニキビができて困っている」という相談も多いです。

 ニキビは毛穴に皮脂が詰まり、そこにアクネ菌という細菌が感染して起こります。皮脂の分泌が盛んな部分に発症しますが、その原因は体質や肌質、学校や職場、家庭でのストレス、偏った食生活、睡眠不足などいろいろです。男性に比べ、化粧をする女性の方が悪化したり長引いたりしやすい傾向にあります。


ニキビの治療法と予防法を教えてください。

 ニキビには「こうすれば必ず良くなる」と単純に行かないことが多く、その人に合った治療法を見つけ、それを継続することが大切です。思春期のニキビは、比較的治療効果が出やすく、塗り薬だけで改善されることが多いです。20〜30代に出る“大人のニキビ”は、塗り薬だけでは改善せず長引くケースも多く、ビタミン剤や抗生物質の服用が必要になることもあります。最近は保険適用の塗り薬が複数発売され、治療の選択肢が増えています。

 また、一般的なニキビ治療では改善がみられない場合、漢方薬による治療が効果的なことがあります。ニキビの性状と患者さんの体質や体力、ホルモンバランスなどを総合的にみて、一人ひとりに合った漢方薬を処方します。

 できるだけストレスをためず、栄養バランスのとれた規則正しい食生活を送り、過労や寝不足、お酒の飲み過ぎを避けるなど生活習慣を改善していけば、ニキビの予防につながります。また、洗顔は大事ですが、洗いすぎは良くありません。洗顔料を十分に泡立て、やさしく洗い、しっかりとすすぐようにしましょう。間違ったスキンケアがニキビを悪化させているケースも多く見受けられます。ニキビ対策にはなるべく油分の少ない化粧品を選び、乳液や栄養クリームなどの使用は最小限にとどめましょう。

 “マスクニキビ”の主な原因は、マスクによるこすれとマスクの着脱による蒸れや乾燥です。対策には、マスクを外したときには適宜、余分な皮脂や汗を拭き取って清潔を保ち、保湿剤を塗るようにしましょう。マスクを付ける前に保湿剤を使うのも有効です。


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