2021年11月24日水曜日

秋冬の乾燥肌対策

 ゲスト/宮の森スキンケア診療室 上林 淑人 院長


乾燥肌について教えてください。

 秋から冬にかけて寒い季節に、多くの人が悩まされる肌のトラブルといえば乾燥肌です。皮膚が乾燥して、カサカサした状態になり、ひどくなると白く粉をふいたり、ひび割れてうろこのようになったりします。ある程度乾燥すると、それだけでかゆみを伴い、かくとさらにかゆみが増すのでまたかく、という悪循環に陥りやすいです。中高年に多くみられますが、性別や年齢にかかわらず発症します。

 皮膚表面を覆う脂分など、皮膚の潤い(水分量)を保つ成分が、加齢や疲労、ストレスなどにより不足することが原因です。また、外気・室内の乾燥、皮膚を強く洗いすぎる生活習慣なども外的な要因として挙げられます。

 乾燥してカサカサした皮膚は、肌が本来持っている外部からの刺激を防ぐバリア機能が低下し、花粉やハウスダストなど、アレルギーの原因となっている物質に過敏に反応しやすくなります。また、乾燥肌をかくと肌に目に見えない細かな傷がたくさんできます。これらの傷から細菌などが入り込むと、湿疹や炎症などさらなる皮膚トラブルの原因となるので、早い時期から治療することが大切です。


乾燥肌の対策・治療について教えてください。

 対策の基本は保湿剤を塗り、皮膚の潤いを保つこと。皮膚科でも保湿剤を処方しますが、市販のものでも構いません。保湿剤は軟こうやクリーム、ローションなどいろいろなタイプが用意されていますが、その保湿成分は皮膚の水分が逃げないようにふたをする「エモリエント」と、皮膚に水分を与える「モイスチャライザー」の2つに分類されます。自分の肌に合ったもの、使いやすいものを選んでください。1日2回は塗るよう心掛けてください。

 そのほか、暖房で乾燥しがちな室内は、加湿器を使って一定の湿度を保ち、肌の水分の蒸散を防ぎましょう。入浴の際は“ごしごし洗い”ではなく、手で石けんを泡立てて、優しく洗うようにすると肌への負担は少ないです。

 かゆみが強い場合や、すでにかいて炎症を起こしているときは、保湿剤だけでは皮膚の状態は改善しません。皮膚のダメージに応じて、かゆみや炎症を抑える塗り薬、飲み薬を処方してもらう必要があります。ただの乾燥肌と思っていたら別の皮膚の病気が隠れていたというケースもあるので、自己判断に頼らず、皮膚科医と相談の上で治療することをお勧めします。