2017年2月8日水曜日
肌のかゆみ
ゲスト/つちだ消化器循環器内科 土田 敏之 院長
肌のかゆみについて教えてください。
今年は暖冬といわれていましたが、気温が低く雪が多い冬になりました。冬になると気になるのが体のかゆみです。肌に発疹や水泡など明らかな病変がなく、かゆみだけが認められる場合を皮膚掻痒(そうよう)症といいます。冬場に肌がかゆくなる人が多いのは、寒くなると血行が悪くなり、暖房の使用などで空気が乾燥することで皮膚の水分が失われ、かゆみを感じる神経が敏感になるためです。雪かきや入浴の後、就寝後など、体が温まること(寒暖差)によって、寒さで縮んでいた血管が急速に広がり、かゆくなることもあります。
かゆみの原因は皮膚の乾燥以外にもあります。ストレス、精神的不安、疲労、怒り、緊張によって、かゆみを感じてかいたり、かゆみが悪化したりする場合があります。それが続くと無意識にかくことがクセのようになったり、症状をこじらせたりしてしまいます。耳がかゆく、ついガリガリと強めに耳掃除をして皮膚を傷つけ、それがかさぶたになりまたかゆくなる…という悪循環を繰り返す「外耳道炎」もそうです。
女性の外陰部のかゆみは、婦人科の中でも比較的多い病気「カンジダ症」の可能性があります。もとから膣の中に持っている真菌(カビ)が、体が弱った際などに急速に増殖し発症すると考えられています。アレルギー反応、ホルモンバランスの崩れなどがかゆみを引き起こしている場合もあります。
肛門(こうもん)あるいは肛門周囲も便や腸の粘液にさらされ、通気性も悪いため、かゆくなりやすいものです。痔、寄生虫、トイレットペーパーとの相性が悪い、温水洗浄(便座)の使い過ぎなども原因として考えられます。
かゆみの治療について教えてください。
治療はかゆみを抑える塗り薬や飲み薬、炎症を抑えるステロイドや免疫を抑制する塗り薬、ストレスを減らすための飲み薬など薬物療法が中心です。肌を清潔に保ち、保湿する工夫をするなど日常生活でのスキンケアも大切です。
強いかゆみで「寝ていられない」「仕事が手につかない」という場合には、別な病気を合併している可能性も疑われます。糖尿病、肝臓や腎臓など内臓の病気、悪性腫瘍もかゆみを伴うことがあります。症状が重い時には放置せず、かかりつけ医の診察を受けてみてはいかがでしょうか。
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