2014年5月21日水曜日
依存症
ゲスト/医療法人北仁会 いしばし病院 白坂 知信 院長
依存症とはどのような病気ですか。
飲酒を抑えられなくなるアルコール依存症、覚せい剤、脱法ドラッグの使用や抗不安薬、睡眠薬の不適切な長期処方による薬物依存症、オンラインゲームなどに夢中になり過ぎてやめられなくなり、健康状態を悪化させたり、日常生活に支障が出たりするネット依存症…。その他、ワーカホリックや摂食障害など、さまざまな依存症が社会的な問題となっています。
何かにはまって、われを忘れるほど夢中になったり、自分が解放された気分になったりするのは誰にでもあることです。しかし、ほどほどでやめられる人と、自らの意思でコントロールできなくなるまで、その高揚感を求めようとしてしまう人がいます。依存症になる人には、自己肯定感に乏しく自信がない、周囲に受け入れてもらえないという孤独感がある、などの特徴がよく見られます。心がこうした状態にあると、そのつらさ苦しさから逃れるために、自分がのめり込める対象に傾倒していきます。そして、いつしかそれがなければ、平静でいられなくなってしまうのです。
依存症は、アルコールやニコチン(タバコ)、薬物などの「物質に対する依存症」、ギャンブルや買い物、万引など「行為に対する依存症」、恋愛や友人、親子など「人間関係に対する依存症(共依存)」の三つのタイプに分けられます。
依存症の治療について教えてください。
治療の中心となるのは、認知行動療法です。依存に陥る心理や背景を読み解き、考え方の癖や行動パターンを修正し、依存に歯止めをかけるというものです。例えばアルコール依存症の場合、これまでのお酒に対する考え方や価値観を見直すことで、アルコールに頼らない生活を目指します。また、アルコールへの欲求が生じた時の対処法や、アルコールの誘いがあった時の断り方などの実践的な対策も学んでいきます。
依存症は習慣ではなく、脳の病気です。強い依存の状態であれば、自分の力だけで克服するのは困難であり、医療機関での治療が必要です。しかし、依存症の患者さんには自分の問題を否認する傾向があり、本人が自らの意志で病院に行くことはまれです。周囲の説得で本人が受診する場合はいいのですが、そうでない場合には、周囲が専門機関に相談し、アドバイスを受けることが勧められます。
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