2010年11月17日水曜日

「インフルエンザ」

ゲスト/医療法人社団 大道内科・呼吸器科クリニック 大道 光秀 院長

インフルエンザとはどのような病気ですか。
 インフルエンザは、毎年、冬から春先にかけて大きな流行を繰り返すインフルエンザウイルスによる感染症です。昨年は新型インフルエンザが猛威を振るい、社会も大混乱したことが記憶に新しいと思います。インフルエンザウイルスは患者さんの鼻汁や痰(たん)に潜んでいて、くしゃみや咳(せき)とともに空中に飛び出します。インフルエンザウイルスは温度が低く、湿度が低いほど長時間生存し、感染する力を保持します。そのため、寒く、乾燥するこれからの季節ほどまん延しやすいと考えられています。
 インフルエンザの症状は、ほかの風邪のウイルスに比べて、全身の症状が強いことが特徴です。高熱、頭痛、関節痛、全身のだるさなどが体を襲います。特に抵抗力の弱い乳幼児や高齢者が重症化しやすく、死亡する可能性もあります。昨年の新型インフルエンザでも、世界中で多くの人が犠牲になりましたが、日本の新型インフルエンザの死亡率は先進国の中では最低でした。これは日本の国民皆保険制度のおかげで、発症早期に病院を受診でき、また初期からタミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬を使用できたことなどによります。

インフルエンザの予防と治療について教えてください。
 インフルエンザの予防にもっとも有効な対策はワクチンの接種です。今シーズンのインフルエンザワクチンは,昨年発生した新型インフルエンザと従来の季節性インフルエンザ(A香港型)とB型の3つの株が混合された3価ワクチンを使用して実施されています。
 昨年は約2000万人の方が新型インフルエンザに罹患しましたが、今年も再度,新型インフルエンザが流行する可能性は十分にあり、また昨年流行しなかったA香港型の流行も予想されますので、自分自身や家族を守るためにもワクチンの接種をお勧めします。
 誰にでも手軽にできるインフルエンザの予防法が手洗いとうがいです。手洗いは手指など体に付いたウイルスを除去するために有効であり、うがいは口の中を清浄にします。どちらも感染症予防の基本ですので,日ごろから徹底するように心掛けましょう。万一、38℃以上の高熱や関節痛などインフルエンザ症状がでてきたら、病院を受診してください。ウイルスの増殖を抑える薬を処方しますが、早いほど効果的です。

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