2002年12月4日水曜日

「外科手術による矯正」について

ゲスト/つちだ矯正歯科クリニック 土田康人 歯科医師

外科手術による矯正治療について教えてください。

 受け口と呼ばれる反対咬(こう)合、出っ歯と呼ばれる上顎(がく)前突、上下の歯が咬(か)み合っていない開咬、顔や顎(あご)が曲がった状態の顎変位など、顎変形症の症状がひどく、矯正治療のみでは治しきれない場合、外科手術によって治療する方法があります。矯正専門医と口腔(こうくう)外科、形成外科が協力し、骨延長などの外科的処置を行い、その前後は矯正治療で咬み合わせを正常にします。手術前の治療に1年弱、手術後約2年、合わせて3年ほどの矯正期間が必要です。年齢的には、高校生以降の骨が成長しきった状態で行います。成人してからの治療も可能なので、年齢にかかわらず、まずは専門医の診察を受けてください。

手術というと、入院期間や費用などが心配ですが。

 外科手術なので、顔に傷ができるのではないかと心配されるでしょうが、口の中から行うので傷あとが残ることはありません。入院期間はだいたい2週間程度で、ほとんど危険の無い手術です。かつて、このような治療は高度先進医療機関に指定されている大学病院などでのみ許可されていました。しかし、現在は都道府県指定の更生医療機関などの矯正専門医なら、口腔外科、形成外科と協力して行えるようになりました。一般の矯正治療は保険診療の対象外ですが、外科治療を伴う場合はすべて保険診療対象となります。著しく咬み合わせがずれているまま放っておくと、発音や咀嚼(そしゃく)など機能面で問題が生じます。また、審美的な見地からも悩まれることが多いのも実状です。矯正歯科以外で、美容のみを目的として口元を治療されることもあるようですが、健康な歯をさし歯にするなど、機能面での配慮が二の次になってしまう場合も見受けられます。外科矯正の目的は、あくまで咬み合わせを正常にすることですが、付随して横顔や表情が健康的に美しくなる例を多く見ています。また、外科治療せずに顎の変形を治したい場合は、永久歯が生え揃う小学校1、2年生のうちに、矯正治療を始めることをお勧めします。

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