2009年11月25日水曜日

「ストレスによる肌のトラブル」について

ゲスト/宮の森スキンケア診療所 上林 淑人 医師

ストレスと肌のトラブルについて教えてください
 ストレスには大きく分けて、疲労や睡眠不足、けが、細菌やウイルス感染など外界から受ける「外的ストレス」と、会社や学校、家庭内などにおける人間関係、試験や受験、仕事上の悩みなど心的な「内的ストレス」の二つがあります。これらストレスは、肌のトラブルの大きな原因になります。
 ストレスを受けている状況では、鉄分・亜鉛・カルシウムといったミネラル類の胃腸からの吸収が悪くなるといわれています。特に亜鉛が不足すると新陳代謝が悪くなり、肌荒れを起こします。
 また、ストレスを受けているとビタミンが多く消費されます。健康な肌を保つのに必要なビタミンA、B群、Cなどが不足し、肌が荒れたりニキビが増えたりします。頬(ほお)が赤くかさかさする、頭がかゆくフケが目立つといった脂漏性皮膚炎が起こることもあります。さらに、乾燥を防ぎさまざまな刺激から肌を守るバリアー機能が低下し、汗・細菌・ハウスダストなどの刺激を多く受け、さまざまな湿疹、皮膚炎が悪化しやすくなります。
 ストレスの影響で皮膚の色素細胞が活性化し、メラニン色素が増えてシミが増えやすくなるといわれています。またストレスは免疫力の低下をまねき、口唇ヘルペス・帯状疱疹(ほうしん)・吹き出物などの原因になります。さらにアトピー性皮膚炎や蕁麻疹(じんましん)などアレルギー症状を悪化させるといわれています。
 「おやじ臭さ」とよく表現される加齢臭も、加齢だけでなくストレスも大きな原因の一つです。男女ともに40歳を過ぎると皮脂の組成が変化し今まではなかった臭いがするようになります。ストレスの多い状況では皮脂が過剰になり加齢臭も強くなります。

これらに対処するにはどうした良いのでしょうか
 まず十分な睡眠と休息が一番大切です。バランスの取れた食事と規則正しい生活も重要です。「自分はストレスと無縁だ」などと思い込まずに自身のストレスを自覚しましょう。肌のトラブル自体がさらにストレスになる場合もあるので、症状があれば受診して、治療することもストレス軽減に役立ちます

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