2022年1月12日水曜日

コロナ禍におけるCOPD診療

 ゲスト/白石内科クリニック 干野 英明 院長


コロナ禍におけるCOPD診療について教えてください。

 COPDとは慢性閉塞性肺疾患のことで、慢性気管支炎や肺気腫を指します。主にタバコによって起こる肺の炎症性疾患です。症状は慢性のせき、痰、体動時の息切れなどです。疫学調査によると日本人の有病率は8.6%であり、40歳以上で500万人以上、70歳以上で200万人以上がCOPDであるとされます。

 聴診や胸部レントゲン写真では、COPDはある程度進行しないと異常所見は見つかりません。そのため診断には、息を思いっきり吸ったところから勢いよく吐き出し、その1秒間に吐いた量を評価する肺機能検査が重要ですが、息を吐き出す時に飛沫が飛ぶ可能性があるため、コロナ禍ではなかなか行いづらくなっていました。そこで、肺機能検査に準ずるものとして、患者さんに回答してもらう「質問票」があります。いくつか種類がありますが、ここでは日本で開発された「COPD-Q」という質問票を紹介します。

 質問は全部で5つです。一つ目は年齢。40~49歳なら0点、50~59歳なら1点、60~69歳なら2点、70歳以上なら3点です。二つ目は「かぜをひいていないのに、痰のからんだせきをすることがあるかどうか」。「ほとんどない」「まれに」なら0点、「時々」「ほとんどいつも」「いつも」なら1点です。三つ目は「走ったり、重い荷物を運んだりした時、同年代の人と比べて息切れしやすいか」。「いいえ」なら0点、「はい」なら1点です。4番目は「この1年間で、走ったり重い荷物を運んだりした時、ゼイゼイやヒューヒューを感じることがあったか」。「ほとんどない」「まれに」「時々」なら0点、「ほとんどいつも」なら1点、「いつも」なら2点です。最後は「これまでタバコをどれくらい吸ったか」。「1日の平均本数×喫煙年数」を計算し、1~399なら1点、400~999なら2点、1000以上なら3点(吸わない人は0点)です。各質問の点数を足して合計点を計算して下さい。合計点数が4点以上ならCOPDの可能性があると判断されます。

 合計点数が4点以上の方は、胸部レントゲン写真、心電図、血液検査などを行い、気管支ぜんそくなどのCOPD以外の呼吸器疾患や心不全などの心疾患の鑑別診断をし、COPDと診断された方へは、禁煙指導の上、必要に応じて内服薬や吸入薬の処方を行います。