ゲスト/ふじた眼科クリニック 藤田 南都也 院長
新型コロナウイルスはどんなウイルスなのでしょうか。感染拡大を防ぐポイントなどについて教えてください。
新型コロナウイルスの感染が拡大し、いまだ終息の気配は見えません。不安を感じている人も多いと思いますが、ここでもう一度、新型コロナウイルスに関して私たちが知っておきたいこと、気を付けたいポイントをまとめてみます。今こそ、正しい情報を入手し、冷静に行動することが重要です。
●新型コロナはインフルエンザと同じRNAウイルスなので、遺伝子の変異が多く発生し、効果的なワクチンが作りにくい。そのため現時点では、予防が何よりも大切になります。
●感染予防の基本は、手洗い、密を避ける行動、人と接する場面でのマスク着用を続けることです。
●密閉、密集、密接の「3密」が最も危険。暑い夏でも冷房をかけたまま閉め切るのは危険で、冬季は暖房が効いていても定期的な換気が必須です。
●どんなマスクでも、せきやくしゃみによる大きな飛沫を周りに広げない効果はありますが、ウイルスを含む小さな飛沫を通さない効果がどれほど期待できるかは、マスクの素材によって異なります。布は糸を織ったり編んだりして作られており、織り目(編み目)ができるため、布製マスクはウイルスを通しやすいといわれています。一方、不織布は繊維を特殊加工により接着し、薄いシート状に加工しています。そのため織り目がないので、ウイルスを通しにくいとされています。
●感染リスクの高い人が特に気を付けたいのは、レストランなどでの「食べながらの会話」です。新型コロナは唾液中に多く存在し、食事中には唾液の分泌が増えます。向かい合って大声で話したり笑ったりするような状況は危険です。
●外出自粛による運動不足は、高血圧、糖尿病、肥満などの疾患につながります。屋外の空いている場所など、感染リスクの少ない環境での運動、散歩やジョギングは、健康の保持や気分転換に有効です。
●目の結膜は外部に露出した粘膜なので、ウイルスの付いた手で触れると感染につながりやすいです。特にコンタクトレンズの着脱時には、アルコールで丁寧に手指を清拭することをお勧めします。
一般的にウイルスは温度と湿度が低いほどよく蔓延します。今後、秋冬に新型コロナの流行が再燃する可能性もあります。まずは「自分の身は自分で守る」という心構えが大切。一人ひとりが感染防止に努めることは、自分の命を守るだけでなく、家族や友人などの命を守ることにもつながります。