2015年2月25日水曜日
歯科治療後の痛みについて
ゲスト/医療法人社団アスクトース 石丸歯科診療所 近藤 誉一郎院長
虫歯の治療後、しばらくの間、痛みが残ることはありますか。
一般的な虫歯の治療は、虫歯部分を完全に取り除くことを基本としますが、神経のある歯を削っていくと、削った分だけ歯の中にある神経が近くなります。虫歯のタイプや進行具合によっては、やむを得ず神経に近いところまで削らなくてはならないこともあり、治療後に軽い痛みや染みる症状が残ることがあります。また、歯を削ったり、歯に詰め物をしたりという行為そのものの刺激により、術後痛が出る場合もあります。削った後、歯は神経を保護するように新しい層(第二象牙質)を作ります。第二象牙質が形成されると、刺激が神経に伝わりにくくなり、それらの症状も次第に治まっていくケースが多いです。
症状が治まるまでの期間はさまざまで、1、2週間程度で落ち着く場合もあれば、1年以上かかることもあります。慎重に様子を見ながら対応していきますが、症状が軽減しない場合には、神経を取らなければならないこともあります。ただし、神経を取ってしまった歯は弱くなりますので、経過観察方法および治療などについて、かかりつけの歯科医とよく相談することが大切です。
歯の神経を取った後に、痛みが残ることはありますか。
虫歯が歯の神経にまで及んでいる場合など、根管治療(歯の神経・根の治療)が必要になります。根管は部位によってそれぞれ異なる形状で、複雑に分岐・湾曲しているので、非常に難しい治療の一つといえます。
治療時には、細い針のような器具を用いて、神経を取り除いていくのですが、その構造や形態によっては、完全に除去するのが難しいものもあります。歯根の奥に残った神経に炎症など問題があると、術後に痛みや不快症状が出る場合があります。特に奥歯の大臼歯では根管が3〜4本あり、複雑な形状のため、処置後も不快症状が残るケースが少なくないです。また、神経をきれいに取り除けたとしても、治療の刺激などにより、しばらく痛みが生じることもあります。
根管治療後に不快感が残っている場合は、硬いものをかむのを控える、仮歯にして歯の負担を少なくするなどしながら、経過観察を行います。それでも治まらない時は、レントゲンやCTなどで精密検査をした後、もう一度歯の根の中を治療していきます。
気になることや、調子が悪いと思われる部位があれば、適切な相談・治療を早期に受けることをお勧めします。
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