2013年1月23日水曜日
子どもの歯科矯正治療
ゲスト/宇治矯正歯科クリニック 宇治 正光 院長
子どもの矯正治療について教えてください。
お子さんの歯並びに矯正が必要かどうか迷われる人も多いと思います。歯並びのチェック方法の一つとして、お子さんの口元を顔の正面から観察してみてください。上下の前歯の真ん中の位置が一致していれば安心ですが、ずれている場合は、矯正の必要があると考えられます。
出っ歯や受け口など上下の顎が、前後に大き過ぎたり小さ過ぎたりという骨格的な問題は、一般の人でも気付きやすいのですが、左右のずれは発見しにくいものです。自然な矯正なら、顎骨(がっこつ)の成長コントロールが可能な9〜10歳までに行うのが理想的です。この時期なら就寝時に、バイオネーターと呼ばれる機能的顎(がく)矯正装置を装着し、ずれた顎の骨を中央に移動させます。バイオネーターは、子どもの成長の力を利用して、無理なく自然にバランスのよい骨格をつくります。痛みはほとんどなく、取り外しが可能で日中は装着の必要がありません。ずれの程度にもよりますが、装着期間は平均で半年〜1年。経過観察のための通院は、1〜3カ月に1度が目安です。
ずれの原因には、歯そのものがずれている場合もあり、永久歯がそろってからでも治療は可能です。その場合は抜歯する可能性が高くなりますが、きれいに治療できることが多いです。判断は非常に難しいので、ぜひ専門医にご相談ください。
家庭でチェックするための別の方法はありますか。
頰づえやかみ癖、就寝時の体位が左右どちらかに大幅に偏っている場合などは、左右のずれを引き起こす原因となることがあります。上の前歯と下の前歯の中央の位置が一致しているのを確認したら、次は鼻の先端を基準に、鼻の中央に前歯の中心が沿っているかを確認してください。ずれの原因は一見して分かるものではなく、万が一、骨格のずれを歯のずれと勘違いして放っておくと、矯正に最適な成長期を逃してしまう場合もあります。
子どものうちの悪い歯並びやかみ合わせを放置してしまうと、大人になってから心理的な悪影響を及ぼしたり、虫歯や歯周病、顎関節への影響が出てきたりする場合もあります。少しでもおかしいなと感じたら、早めに専門医に相談することをお勧めします。歯科矯正は自由診療となりますので、費用についてもその際に問い合わせると良いでしょう。
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