2012年3月24日土曜日

便秘

ゲスト/医療法人社団 いし胃腸科内科 石忠明副院長

便秘の原因について教えてください。
 一般的には便回数が週2回以下の状態を便秘と呼んでいます。排便の頻度も大事ですが、それよりも規則的に、すっきりと残便感のない排便ができているかが重要です。
 一般的に女性の方が便秘になりやすく、慢性的な便秘に長年苦しんでいる女性も多いようです。女性が便秘になりやすい主な原因は、腹筋が弱い、運動不足、加齢、ストレスが挙げられます。
 原因や症状は人それぞれ異なりますので、まずは自分の便秘の原因を見つけることが大切です。腸閉塞(へいそく)、大腸がん、虫垂炎など腹部を手術した後の癒着が原因となって便秘が引き起こされることがあります。また、精神的ストレスにより自律神経のバランスが乱れ、便秘がちになるケースもあります。加齢による腹筋の筋力低下や、体内の水分不足が便秘の原因になっていることもあります。このほか、薬の副作用による便秘の可能性も考えられます。

便秘の治療について教えてください。
 便秘の治療の基本は、生活習慣の改善と食生活の改善、下剤の使用です。規則的な排便習慣を身に付け、便意を逃がさないようにします。大腸の運動を活発にさせるため、軽めの運動を心掛けることや、ストレスをためずに発散することも大切です。また、朝、昼、晩の規則正しい食事と食物繊維の多い野菜や果物、海草類をたっぷり取るようにしましょう。適度な水分の摂取も大事です。下剤を服用する場合は、便秘の原因や症状に応じて、薬が使い分けられます。下剤はあくまでも一時的な治療であり、正しい生活習慣を身に付け、腸内の環境を整え、自然な排便のリズムを作る心掛けが大切です。
 下剤の使用が逆効果になることもあります。糞便が固い方は柔軟化させる内服薬、腸の動きが低下している方は腸を刺激して出す薬が効果的です。自己判断で、安易に市販の下剤に頼るのは危険です。長期間便秘が改善しない場合は、大腸がんなど重大で深刻な原因が隠れているケースもあります。一度専門医を受診し、便秘の原因をきちんと見極め、適切な対処を行うようにしましょう。

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