2011年3月16日水曜日

「痔の基礎知識」

ゲスト/札幌いしやまクリニック 樽見 研 院長

痔(じ)とはどのような病気ですか。
 痔とは肛門と肛門周辺の病気の総称です。痔は大きく分けて3種類があります。最も多いのが「痔核(いぼ痔)」です。肛門周辺の粘膜の下には、血管が集まって肛門を閉じる働きをするクッションのような部分があります。肛門への負担が重なると、クッション部分がいぼ状に腫れ、出血を起こしたり、肛門の外に出てきたりします。これが痔核です。痔核にはできる場所により、直腸側にできる内痔核と、肛門側にできる外痔核があります。固くなった便の排せつによって、肛門の出口付近が切れて起こるのが「裂肛(切れ痔)」です。裂肛が慢性化してしまうと傷口が潰瘍状になり、強い痛みが排便後も続く場合があります。直腸と肛門の境目のくぼみに細菌が入り込み、膿(うみ)のトンネルのようなものをつくるのが「痔ろう(あな痔)」です。進行すると肛門の周りが腫れて激痛が続き、高熱を伴う場合があります。
 痔は決して特別な病気ではなく、年齢、性別に関係なく誰にでも起こり得ます。また、最近、増加している大腸がんや肛門がんは、痔と似ている症状があらわれるため、痔だと思い込んでしまったばかりに、がんの早期発見が遅れることがあります。痔の症状が現れた場合は、自己判断をしないで、できるだけ早めに医師に相談することが重要です。

痔の診断、治療について教えてください。
 診断は、問診で痛みの状況や出血などを確認した後、視診や触診、指診で痔の状態を診ていきます。加えて、肛門鏡を使った検査を行い、それらの結果を基に総合的な診断をします。痔の治療方法は症状に応じてさまざまです。比較的症状が軽い場合は、ライフスタイルの改善や、外用薬・内服薬の投与などによる治療が可能ですが、症状が重い場合は外科的治療を必要とすることがあります。
 痔は生活習慣と大きな関係があります。痔の発症や再発を防ぐには、お尻の負担となる便秘や下痢に気を付けることが大切です。また、仕事で一日中立ちっぱなしだったり、椅子に座りっぱなしだったりなど、長時間同じ姿勢でいることもよくありません。そのほか、バランスの良い食生活を心掛ける、正しい排便習慣を身に付ける、辛いものやお酒はほどほどにするなど、お尻の健康を保ち、痔を予防するための生活を心掛けましょう。

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