2011年2月3日木曜日

歯並びを悪くする習癖

ゲスト/医療法人社団アスクトース 石丸歯科診療所 石丸 俊春 歯科院長

悪習癖とはなんですか?
 近年、ブラッシングなどの予防対策が定着し、虫歯や歯肉炎のある子どもが減ってきている一方で、歯並びや噛(か)み合わせに異常がある子どもは増えています。
 歯並びや噛み合わせの異常は、哺乳期~永久歯列完成期(12~13歳)の何げない癖や日常生活での行動、姿勢が原因となって起こることが多いのです。例えば、指しゃぶりをする癖があると、上下の歯が噛みあわない「開咬(かいこう)」が現れる確率が高くなり、また、頬づえやうつぶせ寝、口呼吸などをしている子どもは、顎の成長を妨げられ、下より上の前歯が飛び出している「上顎前突」、俗にいう「出っ歯」などになる恐れがあります。
 食習慣においては、左右のどちらかだけで噛む癖や、口を開けたまま、音をたてて食べる癖があると、噛み合わせに異常があらわれ、顔の左右のバランスが崩れてしまう可能性が高まります。ほんのささいなことでも、毎日の積み重ねが思わぬ悪影響を歯並び、噛み合わせに及ぼすことがあるのです。

悪習癖の改善について教えてください。
 子どもの時期から悪習癖を改善することによって、本来の正常な歯並びや噛み合わせへ導くことができます。そのため、子どもの悪習癖に気が付いたら、すぐにやめさせることが重要です。ただし、指しゃぶりなどの癖には心理的背景が関わっているケースも多いため、決して頭ごなしに叱ったりせずに、子どもの年齢、発育、周囲の環境に応じながら、やさしく指導していきましょう。
 口呼吸の改善には口唇閉鎖(口まわりの筋肉を鍛える)トレーニングが有効ですが、鼻疾患が原因の場合もあり、専門医による治療が必要なケースもあります。また、食習慣の改善には、まず親が正しい食事の見本を示すようにしましょう。
 子どもの悪習癖に気付いてあげるのは、一番身近にいる親の役割。心身ともに成長する時期なので、生活全体の中で「姿勢は悪くないか」「よく噛んで食事をしているか」「正しく鼻呼吸できているか」など、つぶさに見守っていく必要があります。また、歯が生えそろう2~3歳ころから、信頼できる“かかりつけ”の歯医者を見つけ、虫歯や歯肉炎などの異常がなくても、定期的に歯の生え方、生え替わりをチェックしてもらうことも大切です。

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