2010年2月17日水曜日

「熱傷」について

ゲスト/たけだ皮膚科スキンケアクリニック 武田 修 医師

熱傷とはどのような症状ですか?
 一般的には「やけど」と呼ばれていますが、その中には火による「火傷(かしょう)」、化学薬品等による「化学熱傷」、熱湯や油はねなどの熱源によるいわゆる「熱傷」があります。熱傷には1~3度の分類があります。1度は皮膚の表面(表皮)のみの傷害で、軽い日焼けと同じ程度です。3度は皮下組織に達する深い傷害で、皮膚が壊死(えし)したり、植皮手術の必要や感染症が生じたりします。
 家庭で正しく判断していただきたいのは、患部に水ぶくれができる真皮に起きる2度の熱傷についてです。2度はさらに2段階に分かれ、やけどが達する皮膚が比較的浅いものをSDB(浅達性2度熱傷)、やや深いものの皮下組織までは達していないものをDDB(深達性2度熱傷)といいます。水ぶくれが2週間以内に乾くかどうかが大きな境目です。新しい皮膚が出来上がるまでに2週間以上かかるDDBは、「しみ」として色が残り続けたり、皮膚がひきつれケロイド状になるなど、あとが残る可能性があります。
 また、1度の熱傷や2度のSDBと思われても、上皮化後にヒリヒリしたり、触って違和感を覚えたら、早めに医師へ相談してください。時間がたってから症状が現れることもあります。

家庭でできる熱傷の対処法はありますか?
 低温熱傷はこの季節、湯たんぽやパネルヒーターなどに一定時間以上、皮膚をくっつけて圧力をかけた場合に起こり得ます。特に糖尿病などの基礎疾患により感覚が鈍くなっている高齢者は、就寝中に熱傷を負う危険性が高まります。熱傷を起こしたら、まず流水で20分程度は冷やしてください。氷や冷却シートを直接当てると水ぶくれを破る恐れがあります。また、患部が心臓より低い位置にあったり、手の熱傷の場合に手を激しく振ったりすると、患部につゆがたまり水ぶくれがさらに大きくなることがあります。足なら就寝時に座布団などで足元側を高く保つと良いでしょう。
 水ぶくれの処置としては、火で軽くあぶって殺菌した針で表面に数カ所小さな穴を開け、患部より大きなガーゼを厚めに当てて中のつゆが自然と出やすいようにします。薬局で熱傷の薬、皮膚に付着しづらいガーゼも購入できます。ティッシュペーパーや綿は患部に付着するので避けてください。
 熱傷は数日かけて症状が重くなることが多いので、おかしいなと思ったら早めに皮膚科医への受診をお薦めします。

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