2008年4月23日水曜日

「皮膚の再生医療」について

ゲスト/緑の森皮フ科クリニック 森 尚隆 医師

最近「再生医療」という言葉をよく耳にしますが

実は肌の老化にも自分自身の細胞を再生させ、それを気になる部分(しわ・たるみ)に補充し再生をはかる「肌の再生医療」という技術が行われています。これは、『リジェンACR注入法』という治療で、自己多血小板血漿(PRP)を注入し、自己血中の細胞や成長因子を利用して組織再生を促し、皮膚などの再生を目的とした治療法です。この『リジェンACR注入法』という治療は、自己の血液の中に含まれている血小板を利用するもので、血小板は人間の体の中で血を止めたり、壊れた血管や細胞を治す働きをしています。この血小板の中には、グロス-ファクターと呼ばれる多機能な成長因子が含まれており、組織の修復・コラーゲン産生・ヒアルロン酸産生・血管内皮細胞の増殖や新生などを促進して、体の細胞を再生します。これを利用して顔や首、手の甲などのしわやたるみを改善していきます。今まで治療が困難とされてきた目の周りのちりめんじわなどにも効果的で、安全な治療法といえます。

この治療法の特徴について教えてください。

従来から行われているヒアルロン酸注入やコラーゲン注入などのように、直接的な治療とは違いすぐに変化がでるものではありません。細胞が活性化されるまでの時間が必要なため、約2週間から2ヵ月間をかけて徐々に状態を改善していきます。そのため、仕上がりはとても自然です。治療時間は採血から含め約1時間程度で帰ることができ、塗る麻酔薬を使用しますので痛みもほとんどありません。自分自身の血液中の有効成分を使用するので、副作用などの心配が少なく治療を受けることができます。 現在、この自己多血小板血漿(PRP)はいろいろな医療現場で使われており、歯科のインプラント治療の骨の再生や糖尿病による皮膚潰瘍、熱傷を早く治すための治療にも積極的に利用されています。血小板の働きが正常であれば、どの年齢層の方でも治療を受けることができますが、妊娠中の方や肝臓、腎臓などの治療を行っている方は、治療を控えなければならないこともあります。そして、医師とのカウンセリングも重要なことです。 このような美容を目的とした治療は、いずれも保険適用外の自費治療です。

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