2004年8月11日水曜日

「つめ・かかとの水虫」について

ゲスト/つちだ消化器循環器内科 土田敏之 医師

水虫について教えてください。

 この夏は久しぶりに気温の高い北海道ですが、気温とともに湿度も高く、水虫が増殖しやすい環境です。日本人の5人に1人がかかとや足指の間の水虫で、10人に1人がつめの水虫になっています。また、水虫患者の、3人に1人は家族に感染者がいます。患者の皮膚からはがれ落ちた角質層には水虫菌が生きたまま残っており、2週間も生き続けるため、玄関マット、床、ソファ、カーペット、バスマット、寝具などを介して水虫がまん延するのです。特に付着部分に傷があると感染しやすくなります。水虫は白癬(はくせん)菌というカビの仲間で、皮膚やつめ、毛に含まれているケラチンというタンパク質を栄養源に寄生します。生暖かくじめじめした場所を好み、そこで増殖します。

治療・予防法を教えてください。

 一般的には水虫用の塗り薬を使用します。また、日常生活では次の点に気を付けます。1.足を石鹸(けん)で洗い、指の間もよく洗う。2.靴下や履物は通気が良いものにする。3.掃除や洗濯はこまめに行う。4.家族の水虫も一緒に治療する。これらのことを実行した上で根気強く治療することが大切です。しかし、治ったと思った水虫が繰り返し発症することも多いのです。この場合疑わしいのはかかととつめの水虫です。角化型といって足の裏、特にかかと部分の角質がザラザラと厚く、乾いたようになるタイプの水虫があります。また、つめ水虫型はつめの中に水虫菌が入り、つめが厚くなったり、白っぽく濁ったり、ボロボロになったりします。両方ともかゆみはなく、塗り薬が浸透しません。これらの型には、水虫専用の飲み薬を使います。軟膏を塗っても毎年再発する人はかかとやつめに白癬菌が残り、再発を助けている可能性があります。2000年の足の疫学調査では、つめに水虫のある人が48%にも及びました。指の間を軟膏できれいにしても、菌を供給し続けるつめ・かかとの水虫を退治しない限り、夏がくる度に足がかゆくなるということを繰り返します。患部にかゆみが無くても放置せず、つめ、かかとの水虫もしっかり治療しましょう。

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