2004年5月12日水曜日

「顔曲がり、受け口の新しい改善治療法」について

ゲスト/幸健美歯科クリニック 佐藤 嘉則 歯科医師

顔曲がり、受け口について教えてください。

 顔曲がり、受け口というのは、顎(あご)ずれ(顎=がく=偏位症)のことが多く、顎が本来の位置からずれていることをいいます。顎ずれは、顔や体のゆがみを起こし、顔や体のバランスを崩します。顎ずれのある方たちは、審美的な側面で悩みを持つとともに、頭痛、首筋の凝り、肩凝りなどの不快症状を持っていることが多いのです。
 実は、下の顎(あご)というのは、重い頭の重心バランスを取るという重要な役目を担っています。頭は、米袋と同じ5kg近くあり、私たちはその頭のバランスを取りながら歩いたり、仕事したりしているのです。つまり顎の位置がずれていると、体のバランスが崩れ、全身に影響を及ぼすことがあるということです。原因がはっきりしない症状に悩んでいる方は、専門医で顎の位置が関連していないか診断してもらうことをお勧めします。

顎がずれる原因と新しい治療法を教えてください。

 顎がずれる原因の中には、長年のいろいろな生活習慣の偏りが挙げられます。寝る姿勢、片方だけでものを噛(か)むくせ、頬(ほお)づえ、うつぶせ読書、悪い咬(か)み合わせ、楽器の演奏、舌習慣などが考えられます。それらにより、顎ずれが固定されてしまうと、顔や体に影響を及ぼします。
 普段歯を強く噛みしめたり、緊張することは、より顎をずらす原因になります。顎にとって悪い習慣をやめるように気を付けるとともに、リラックスした顎の状態で生活することが大切です。
 最近の顎の矯正法では、取り外しのできる特別な装置を使った新しい治療法があります。MGAと呼ばれる装置を各自の状態を考慮し、一定期間、口の中に装着します。生活上支障のある場合は、そのつど外して構いません。装置を装着することにより1人ひとりの顎を、より健康的でバランスの良い位置へ誘導していくのです。これにより顎切り手術をしなくてはならないといわれた方でも手術なしに改善する可能性が広がりました。
 顔曲がり、受け口でお悩みの方や、顎や咬み合わせに違和感がある方は1度専門医を受診してください。

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