2002年10月23日水曜日

「八重歯などの矯正」について

ゲスト/宇治矯正歯科クリニック 宇治正光 歯科医師

八重歯も矯正の対象になるのでしょうか

 八重歯というのは、前歯と奥歯の間に位置する歯、犬歯が、歯列から外れて生えている状態をいいます。ときどき「八重歯が気になるので、犬歯を抜いてしまった」という人がいますが、犬歯は、機能面でも審美面でも、非常に重要な歯です。犬歯はほかの歯よりも比較的根が長く、顎(あご)の骨にしっかり固定されており、寿命も長いのです。機能的には、食べ物をすりつぶす奥歯と噛(か)み切る前歯を、調節する役割を果たしています。逆に、八重歯のままにしておいた場合は、歯列から外れているため、せっかくの長い根も顎の骨に固定されておらず、また歯も磨きづらいため、虫歯になったり、年を取って顎の骨が「やせて」、歯根が露出してしまうことが多いのです。八重歯を中心とした歯列矯正の場合、極力抜歯をせずに、本来あるべき位置に戻します。どうしても、抜かざる得ない場合は、犬歯を残し、隣の歯を抜く場合が多いです。

笑うと歯茎(ぐき)が目立つ場合も矯正で治りますか。

 テレビで見かけるタレントさんや女優さんでも、笑うと歯茎が目立つ方がいますが、欧米ではガミー(歯茎)フェイスと呼ばれています。上顎(がく)前突、いわゆる出っ歯の一種で、見た目の問題だけでなく、下の歯が上の歯茎に当たっている場合が多く、歯肉炎などを合併する可能性もあります。歯並び自体がきれいだと、矯正治療の対象ではないと思われがちですが、矯正することによって、前歯と一緒に歯茎も引っ込めることができます。大人になってからでも矯正は可能ですが、できれば永久歯が4本出た時点で矯正を開始すると、本人もあまり負担に感じずに治すことができます。骨格的な遺伝の場合が多いので、お母さんやお父さんの歯茎が目立つという場合は、早めに矯正専門医を訪ねてください。また、目立たない矯正具もありますので、歯や歯茎で気になることがあったら、一度専門医に相談することをお勧めします。

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