2012年1月6日金曜日

子どもの歯科矯正治療

ゲスト/宇治矯正歯科クリニック 宇治 正光 院長

子どもの矯正治療について教えてください。
 お子さんの歯並びが気に掛かり、矯正が必要かどうか判断に迷われる人も多いと思います。子どもの歯並びのチェック方法の一つとして、お子さんの口元を顔の正面から観察することをお勧めします。上の前歯と下の前歯の真ん中の位置が一致していればひと安心ですが、ずれている場合は、矯正の必要があると考えられます。
 出っ歯や受け口といった上下の顎が前後に大き過ぎたり小さ過ぎたりという骨格的な問題は、一般の人にも気付きやすいのに対し、左右のずれは発見しにくいものです。自然な矯正治療なら、顎骨(がっこつ)の成長コントロールが可能な9〜10歳までに行うのが理想的です。この時期なら就寝時に、バイオネーターやFKO(エフカーオー)と呼ばれる機能的顎(がく)矯正装置を装着し、ずれた顎の骨を中央に移動させます。子どもの成長能力を生かしたもので、痛みはほとんど感じられず、日中は装着する必要がありません。ずれの程度にもよりますが、装着期間は平均で半年から1年。経過観察のための通院は、1〜3カ月に1度が目安です。
 ずれの原因には、歯そのものがずれている場合もあり、永久歯がそろってからでも治療は可能です。その場合は、抜歯する可能性が高くなりますが、きれいに治療できることが多いです。判断は非常に難しいので、ぜひ専門医にご相談ください。

家庭でチェックするための別の方法はありますか。
 頬づえやかみ癖、就寝時の体位が左右どちらかに大幅に偏っている場合などは、左右のずれを引き起こす原因となることがあります。上の前歯と下の前歯の中央の位置が一致しているのを確認したら、次は鼻の先端を基準に、顔の中央に前歯の中心が沿っているかを確認してください。ずれの原因は一見して分かるものではなく、万が一、骨格のずれを歯のずれと勘違いして放っておくと、矯正に最適な成長期を逃してしまう場合もあります。
 子どものうちの悪い歯並びやかみ合わせを放置してしまうと、大人になってから心理的な悪影響を及ぼしたり、虫歯や歯周病、顎関節への影響が出てくる場合もあります。小児期に歯並び、かみ合わせの治療を行うことで、これらの心配を減らすことができます。少しでもおかしいなと感じたら、早めに専門医に相談することをお勧めします。また、歯科矯正は自由診療となりますので、費用についてもその際に問い合わせると良いでしょう。