2002年7月17日水曜日

「貧血」について

ゲスト/つちだ消化器循環器内科 土田敏之 医師

貧血について教えてください。

 貧血は、多くの健康診断で検査項目に挙がっているポピュラーな検査ですから、健康診断で指摘されることも多いと思います。貧血とは、酸素を運ぶ赤血球が減り、血が薄くなる状態です。具体的な症状としては、倦怠(けんたい)感、息切れ、めまい、動悸(どうき)、疲れやすいなどです。貧血の原因として多いのは鉄欠乏性貧血で、成長期の鉄分不足や無理なダイエット、不摂生な食事で鉄分が不足している場合です。ビタミンB12不足、葉酸不足が原因のこともあります。また、子宮筋腫(しゅ)、胃潰瘍(かいよう)、痔(じ)など他の疾患が原因で少量の出血が続くことによる貧血の場合もあります。さらに、慢性の感染症や膠原(こうげん)病、消化器のガンなど思いがけない重大な病気が隠れていることもあります。肝臓病や甲状腺機能低下症、腎不全も疑われます。白血病や再生不良性貧血、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫などの血液疾患、溶血性貧血の場合もありますので、軽く考えるのは禁物です。

受診時にはどのような注意が必要ですか。

 先ほど述べたように重い病気のサインとして貧血が現れる場合があります。健康診断で貧血と診断されたり、貧血の症状が出たら、病院で受診してください。その際に、めまいや動悸などの具体的な症状のほかに、月経量が多い、便が黒い、または排便時に血液そのものが出る、尿の色がいつもと違う、爪(つめ)の変形がある、目や体が黄色い、手足のしびれがあるなど、該当することを医師に告げてください。また、現在薬を内服しているか、仕事などの都合で何かを吸入しているか、飲酒量、微熱の有無、鼻血や皮膚の内出血があるか、舌や口元のただれの有無、体重の減少などは、原因を診断する上で大切な情報ですから、思い当たることは医師に話してください。検査は、血液検査、エコー、CTなどの画像検査、胃や大腸のファイバーによる消化管出血の検査、造血の状態を知るための骨髄穿(せん)刺などがあります。治療は、原因疾患の治療と貧血そのものの治療となります。